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【詩集】月のぬくもり、星のなみだ。

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10代~20代に描いた詩
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記事一覧

【詩】夜と煙草とあなた

【詩】夜と煙草とあなた

覚えたての煙草が上手に吸えずに
煙だけが宙に線を描いて舞っていた

こんな時だから
あなたが必要なのに
こんな夜だからこそ
あなたに居て欲しいのに

真っ暗で
それでいて出口のない空間に
わたしの心を置き去りにしてしまった

覚えたての煙草は上手に吸えずに
煙だけが宙に線を描いて消えていった

こんな夜は
上手に眠れたらいいのに
こんな夜だからこそ
上手に感情を言葉で言い表せたら それだけでいいの

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【詩】きせき

【詩】きせき

晴れの日
雨の日
曇りの日

どんな日だって
軌跡を残しながら生きている

つまづくとき
立ち止まるとき
後ろを振り返るとき

どんなときだって
最後には前を見ながら歩いている
だからこそ言えるんだ

今日に出逢えた、そんな奇跡

20歳の躓き

【詩】優しくしないで

【詩】優しくしないで

これ以上、優しくしないで
今まで以上に、優しくして

だって
あなたは他のひとにも
同じように優しくするんでしょう?

今まで以上に、優しくして
これ以上、他のひとに優しくしないで

そうじゃなきゃ
もう逢ったりしないんだからね

20歳の躓き

【詩】ガラスのコップ

【詩】ガラスのコップ

手にしている
このガラスのコップを
床にたたきつけて割ってしまいたいという
衝動にかられました

そうして
出来た破片があなたの感情の大事なところに
突き刺さってしまえばいいのに

そこまで考えて
自分がとても恐ろしく感じたので

ガラスのコップを
いつもの食器棚の位置に戻して
何もないようなふりをしながら
お布団にもぐり込みました

20歳の躓き

【詩】苦しみから逃れるため

【詩】苦しみから逃れるため

苦しみから逃れるために
答えを出したのに

答えを出す前以上に、苦しくなって
体中の水分が涙となってしまうのではないかと
思うくらいに泣いて

苦しみから逃れるために出した答えは
結果、その場しのぎだったということ

19歳の青春

【詩】あなたが好きなわたし

【詩】あなたが好きなわたし

あなたが好きだと言う
わたしってね

本当は
どうしようもなく
色々な事柄にだらしない女で

あなたが信じている程
きれいでも
可愛い女でもないのよ

19歳の青春

【詩】忠実に

【詩】忠実に

忠実に
どこまでも続く

切実に
どこまでも果てしなく

切っても切れない
焼いても燃えない

これを愛だと呼べるのならば
私はこれまでに
何度それを見つけることが出来ただろう
形として見えないそれに
何度惑わされただろう

忠実に
どこまでも続く

切実に
どこまでも果てしない

22歳の記憶

【詩】マシュマロ

【詩】マシュマロ

マシュマロを
くちに頬張ったときの様に

柔らかく
そして甘く
最後にはくちのなかで溶けてゆくような

そんな恋愛をすれば よかった

【詩】前へ

【詩】前へ

これが
私の出したその問いの答え

理解されなくとも
認められなくても
許されなくとも

勝手に出した答え

この答えを出した
私は前へ進むだけ

ただひたすら
ただひたむきに

前へ歩いてゆくだけ

26歳の煌めき

【詩】桜の花びら

【詩】桜の花びら

桜の花びらは
雨に打たれたり
風に吹かれただけで
簡単に 静かに散ってゆく

桜の木の下で
咲いていた菜の花は
雨に打たれても
風に吹かれても
簡単には散らないはずで

今、彼を好きだけど
疑う心を持っているのも事実

この愛情を
桜か菜の花の
どちらかで例えてみたらどうだろう

きっと 桜の花びらだと思う

心一面に咲く桜の花が
勇ましく散ろうとしている

26歳の煌めき

【詩】ハネムーンにゆくのなら

【詩】ハネムーンにゆくのなら

ハネムーンにゆくのなら
ヨーロッパにゆこう

ある時期
なぜかヨーロッパを1周しても
彼と一緒に過ごせることは出来ないと

頑なに信じていたから

26歳の煌めき

【詩】公園

【詩】公園

近所の公園にある
ゾウのすべり台
幼いころは 大きなものに見えた

大人になって
久しぶりに公園に来て
ゾウのすべり台を眺めてみた

体も大きくなった
私にはそう大きなものにも見えなくて
それは身長が伸びただけではないと思う

あの頃にあった
好奇心やあどけない笑顔や
正直に生きていけたことなんかも

24歳の葛藤

【詩】駆け引き

【詩】駆け引き

そう簡単に
伝えられるものならば
伝えてみせましょう

どうやら
私には駆け引きは無理みたいだから

恋に駆け引きは必要だと言うけれど
そんな悩んでじくじくしている暇があったのなら

私なら もうとっくに すきだと伝えている

24歳の葛藤

【詩】奏でだす音

【詩】奏でだす音

木の葉と木の葉が
風で揺れてぶつかり合って
奏でだす音

目を閉じれば
日常から解放されるような
優しい音

出逢った人たちの言葉には
感謝をするべきだ

たとえ 自分が望む
言葉がもらえなくとも

落ち込んだら
木の葉と木の葉が
風で揺れてぶつかり合う音を
思い出せばいい

24歳の葛藤