Rouge

赤が好きだ。

情熱の色、煮えたぎる血潮の色、燃え盛る愛の色。

お化粧するときには、心躍らせながらそれを唇にのせる。真っ赤な口紅。

わたしのその赤を受け取る人間は、いまはいないけれども。

先の恋人に綺麗だと思って欲しくて、その情熱を纏った。でも、その人に見せる前に、終わりが来てしまった。

それでも私は赤が好きだ。

わたしにとっては、情熱の色で、血の色で、愛の色で、どうしようもない、強がりの色だけど。

それでも。好きだった。

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