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【留学】1年間留学しても自分は変わらなかった話#2

こんばんは、うみです。今回は#1に引き続き、自分自身の留学体験を書いていきたいと思います!

#1では留学を決意した経緯、留学中に直面した困難、1人のインドネシア人との出会いを書きました。URLを貼っておきましたので、ぜひ参考にしてください。

(1)インドネシアからの留学生、クシュブー

前回も話した通り、ある授業をインドネシアの学生と一緒に受ける事になった。授業中は一緒に講義を聞くだけだった。授業だけの仲になりたくなかったので、「ここしかチャンスはない・・・」と思った私は思い切ってランチに誘った。答えはオッケーだった。

ランチをしながら、彼女自身の事をたくさん尋ねた。どうやら彼女の名前はクシュブーと言い、つい最近オーストラリアに来たばかりだと言う。インドネシアの高校を卒業したばかりの大学1年生だった。高校はインターナショナルスクールに通っていたため、英語は何も問題ないらしかった。(実際に私も聞いた事がないようなスピードで英語を話していて、英語を理解するのが最初全くできなかった笑)

私は正直に自分の今の状況を伝えた。友達がまだ少ない事、英語がまだ不安だから課題を手伝ってもらうかもしれない事、正直に伝えた。そうしたら、「全然大丈夫だよ!」と返事をもらう事ができた。そこで次の授業も一緒に受ける約束をした。

(2)だんだんクシュブーを知っていって分かった事

その後も、授業に一緒に参加をした。あの声かけがきっかけで課題を図書館で一緒にやるようになったし、2人で遊びに行くようにもなった。

クシュブーは自分より年下という事もあって、すごく甘えん坊だった。インドネシアに住む両親の事が大好きで、何をするにしてもよく電話をしていた。(インドネシアとオーストラリアは時差があまりない)例えば、一緒にショッピングに行った時にどの服を買おうかクシュブーはよく迷っていた。その時よくお母さんに電話をして決めてもらっていた。(隣に私がいるのにも関わらず笑)どうやら大学の寮に戻ってもずっと両親と電話をするそうだった。国が離れていても、四六時中一緒の状態だった。

あと、クシュブーの専攻はジャーナリズムだった(ジャーナリストになる事が夢だったから)彼女が履修していた授業の中で、街中の人にインタビューをして番組にまとめる課題があった。私は一緒についていったのだが、私に案の定甘えて来た(笑)インタビューをする人を捕まえるだけで一苦労だったのだ。3人インタビューをすれば終わる課題だったのにも関わらず、中々見ず知らずの学生のインタビューに答える人がいなかった。甘えるクシュブーの代わりに私が人を探すはめとなった。

そんな甘えん坊な姿を見て、正直日本だったらあまり考えられないなと思ってしまった。自分があまり人に甘えるのが上手ではないからそう思ったのかもしれない。私より年下とは言え、誰かがいないと何もできないというのはいかがなものかと思う事もあった。

しかしクシュブーは決して自分の事を否定しなかった。親に甘えてばかりなのは、自分でも重々承知していたようだった。だが、そんな自分を絶対に否定しなかった。むしろ誇りに思っていた。

クシュブーは国籍上はインドネシアだが、半分インドの血が混ざっている。お父さんがインドネシア人、お母さんがインド人だった。韓国人や中国人は日本人と区別がつかないと言われているように、私にとってあまり違いがよく分からなかった。だがインドネシア人から見るとインドの血が入ったクシュブーは違うように見えたそうだった。それが原因でクシュブーは中学校の時にひどいいじめを受けていたそうだ。

散々自分自身、そして親を否定されたクシュブーは自分を愛そうと決意したのだった。「素の自分を愛し、そんな自分を受け入れてくれる人を大切にする」

彼女にとって素の自分とは、親の事が大好きで甘えん坊の自分だった

(3)私の中での変化

そんなクシュブーと接してきて、今までの自分はどうだっただろうかと考えるようになった。相手に合わせようと必死で、相手と合わない自分が嫌いだった。自分自身を否定し、素の自分を愛せていなかった。

「もしかして元々働いていた飲食店も自分に合わなかっただけで、辞めるという決断は正しかったのではないか。」「コミュニケーションが苦手だと思わせる相手と接していただけで、自分に合う友人を見つけていればよかったのではないか。」留学前に自分が考えていた自分の像は崩れていった。

「どんな自分であっても、愛する」それは時に周囲から理解されない事だろう。ある人が良いと思っている事は、ある人にとって悪い事だ。どんな人が周りに居ようと、最後に自分を愛するのは自分しかいない。そうじゃないと、誰も自分を守ってくれない。

だから、自分を変えようとするのはやめた。

1年間の留学生活の中で自分を変えたかった。だけど、もう20年付き添って来た自分だ。ありのままの自分で、自分のペースで進めれば良いじゃないか。そう思わせてくれたクシュブーとの出会いだった。

(4)最後に

「日本人は控え目で大人しい。」「おもてなしの精神が素晴らしい。」よく海外ではそう評価される。相手の事を思い、推し量り、相手のために自分を犠牲にする時もある。そんな日本人の姿は海外から見ると新鮮だそうだ。だが近年の日本では、海外のように「相手に合わせすぎず、自分らしく生きよう。」という考えが注目を集めている。

自分が今いる学校教育の世界では、どちらかというと日本人的な考えが尊重される。集団の中では相手のために行動する事が一番重視される。

どちらの考えも否定するつもりはない。だが相手に合わせすぎて辛い思いをしているなら、自分自身を受け入れ自分を変えようとしない事も考えてみるのも良いかもしれない。

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