「栄養と運動が未来をつくってくれる」シングルマザーで個人事業主の私が選んだ幸せに生きる方法 五刀流健康アドバイザーMEI
高校の保健体育の非常勤講師をしながら、食事指導やファスティングサポート、バランスボールLessonなど五刀流の個人事業を手がけているめいさん。
女手一つで5歳の女の子を育てながら、自分のなりたい姿へ進んでいく彼女が『自分らしさを追求する今』にたどり着くまでの物語をうかがいました。
生き方を考えた過酷な教員生活
現在、私立専修学校の保健体育の非常勤講師をつとめているめいさん。公立高校女子バスケットボール部のアシスタントコーチを担ったり、バスケットボールの試合の審判をしたりと、いろいろな形で体を動かすことに関わっていると言います。
「幼いころから体を動かすことが好きで、中学からバスケットボールを始めました。力を入れてスポーツをやりたいと思い、部活動が盛んな岐阜県立岐阜商業高校へ進学しました。進学先のバスケ部に、日体大でインカレベスト5に選ばれたすごい先生がいらっしゃって。その指導力や人間性にとても憧れを抱いたことから、私も体育の先生になりたいと思いました。」
大学卒業後、晴れて保健体育の講師になっためいさん。
しかし、理想とはかけ離れた現実があったと話します。
「学校に初めて行った時、職員室の空気の悪さに驚きました。先生たちがとても疲れていて、コミュニケーションが心地よく取れていないなぁ……と。『過酷な仕事だけど、子どものためにやる。大変なのは仕事だからあたりまえ。それができないなら教員をやるべきではない。』という時代で。私も仕事に生きようと思っていました。」
「私は部活動に力をいれていましたが、考えが違う先生達から批判や嫌がらせを受けることもありました。時代の流れも変わって部活動時間も削減される中で本当に自分がやりたいことって何なのかなって。
数年で何度か異動してみましたが、心のモヤモヤは晴れないままでした。学校を変わるのは簡単だけど、時間をかけて何年も勤務しないと土台がつくれない。自分の想いをまっすぐに伝えられないもどかしさがあって……。変わって済む問題ではないんだなと。だんだんと『このまま学校という枠に入っているとやりたいことがやれないかもしれない』という考え方に変わっていきました。」
「子どもたちはかわいいし、私にできる最大限を尽くしたいと思って働いていました。でも、自分の大切な家族が犠牲になったり、今しかない時間が取られたり、やりたいことが制限されたり……。そこまで身を削って自分にかえってくるものって何だろう……と。」
自分のやりたいことを、自分の責任でやっていきたい。
教員の仕事の中でも『授業』と『部活動』が好きだということに気づき、非常勤講師という形にたどり着いたと言います。
結婚の幻想と現実。すれ違う夫婦関係
働き方を試行錯誤する日々を過ごす中、出会った一人の男性と結婚を決めたと話します。
「実はこれまで、自分の父と母をみて、結婚に対してあまり良いイメージがなかったんです。でも、彼とは出会ったその日に付き合うことになって、半年で入籍しました。授業や部活でみていた生徒達はわが子のように可愛くて。出産しなくても、この子たちがいるからいいかなぁと思っていたくらいだったのですが……。自分の考えに寄り添ってくれる彼と出会い、『この人とならいいかも』と思いました。仕事が忙しい私の代わりに家事もやってくれて、胃袋も掴まれて……。教員の働き方はもちろん、将来の子どものことも、『今頑張りたいことを優先してからにしよう』と寄り添ってくれて、理解のある人だと感じていました。」
順風満帆に見えた二人の関係にすれ違いを感じたのは、結婚してすぐのことだったと話します。
「結婚してすぐ、彼と自分の考えにズレがあったことに気づき始めました。仕事を応援してくれていたのに家に入ってほしいと言われたり、全国大会の審判の審査会に行くといつ子どもがつくれるのかと言われたり。出産後復帰して働くことを反対されたり、私がお世話になってて大好きな先輩の先生を紹介してもよく思われなかったり……。
酔うとすごく攻撃的になるところがあって、それで何回も揉めてきました。喧嘩するたびに離婚届を出してきて、『離婚するぞ!』と脅されて。子どもが生まれてからもその言動・行動が変わらず夫婦関係に悩んでカウンセリングにも通っていました。」
シングルマザー、個人事業主。離婚を決断し新しい道へ
夫婦関係に悩みながらも、日々育児に奮闘していためいさん。個人事業をはじめるきっかけは、産後ケアのレッスンに参加したことだったと話します。
「産後のホルモンバランスの崩れから、身体の不調を感じていました。そんな時に、産後ケアのバランスボールクラスがあると聞きました。参加してみたらとても面白くて。産後ケアとして受けたレッスンだったのですが、これを学校の授業で出来たら良いなぁと。」
勤めている学校は体育館を所有しておらず、体育の時間に雨が降った場合は、毎回筋力トレーニングや簡単な卓球をするだけになっていたとのこと。
「せっかくの体育なのに、雨が続くと生徒たちも『また筋トレか……』とだらだらしてしまっていて、もったいないなぁと感じていました。
バランスボールは室内でできるし、スポーツの得意不得意関係なく長時間楽しめる運動だなと思って。授業で使えるように資格を取ることを決めました。」
子どもが生まれてからは、食事の大切さを改めて実感し、食事指導の資格も取ることに決めたそうです。
「旦那の仕事は拘束時間が長く、日付をまたいで帰宅することも多かったので、自分はフルタイムで講師として働くことは難しいかなぁと考えていましした。隙間時間で家族のためにできることはないか考え始めた時に、ファスティングや食事指導の資格もとろう!と思い立ちました。
私は妊娠中も産後も身体に不調があったのですが、それってもしかしたら自分の中に原因があるんじゃないかと思っていたんです。夫婦関係も含めて、すべて上手くいかない原因は自分が作り出しているんじゃないかって。でも、その不安や原因になり得るものを食やファスティングで取り除いていった時に、自分では変えられない部分があると気づきました。相手の原因によって、変えられない不和もあるなって。」
自分の手で変えられることはすべてやり尽くしたからこそ、夫との別れを決意できたのだと話します。
「自分のことは自分でやる、仕事とかお金を稼ぐということも含めて、女性も強くたくましく生きていくのだと幼少期から母に言われて育ってきました。
私の母は結婚生活でとにかく我慢してきたと思います。父は好き勝手している中、母が家事も育児も全てこなしながら、義母の世話もしているような家庭で。私は長女で初孫で祖母に可愛がられていたのですが、大人になってから母の気持ちを知りました。『義母に娘を取られたような気がしていた』と。母は、お母さんを早くに亡くしているので、今の家以外に帰る場所がないと感じていたみたいで。嫌なことも言えなかったようなんです。」
「自分は絶対にそんな家庭にしたくないと思って結婚しました。でも、実際に結婚してみて彼の行動や言動に振り回されることに疲れてしまって……。歩み寄れたらいいなと思っていたけど、そういう兆しが見えなかったですね。娘は父親に似た人を好きになると言いますけど、たしかにそうだったなぁって。」
金銭面での不安も抱えていたことから、娘が3歳になるまでは夫婦関係を続けようと決めていたとのこと。
「母親と父親では親になるスピードが違うので、もしかしたら少しずつ変わってくれるかもしれないと思っていました。でも、3歳の誕生日の時に別れを決断するきっかけがあり、あぁ、これはもうだめだなぁと思いました。それがきっかけで、去年の7月に”昼逃げ”をしてきました。」
それから1年、思うように進まなかった離婚調停も終わりを迎え、娘と二人、新しい道を歩み始めたそうです。
栄養と運動が幸せな未来をつくってくれる
個人事業の仕事依頼も舞い込み、仕事が軌道に乗ってきた手ごたえを感じていると言います。
「最近は仕事が充実してきている感覚があります。個人業も少しずつイベントの機会なども増えてきて、楽しくなってきたところです。この先も、どんどん自分の仕事に力を入れていきたいなと思っています。
でも、具体的な人生計画のようなものはないんです。授業では、生徒たちにライフプランなどを考えさせているんですけど自分は全然浮かんでいなくて(笑)やっぱり、自分の娘には豊かな暮らしをさせてあげたいという気持ちはあります。子どもになんでもさせてあげたいと思うと『お金が必要だな……』と焦る気持ちも正直あります。
でも、人生一回だけなので、やりたいと思うことがあればすべてやっていけるような生き方をしたいですね。」
夫と離れて暮らすようになってから固定概念に縛られている自分に気づいたと言います。
「『妻とは』とか、『母親はこうあるべき』とか。そういったものに縛られていたなぁと、夫と離れた今だからこそ思えています。
自分を整えるものとして、ファスティングや食事はとても良い手段だと思いました。自分の身体で試してみて、心や体が乱れている時は適切な判断ができないし、思い込みも激しくなることを実感しましたね。大きな決断をする前は、栄養や運動で身体の調子を整えてからでないと!って。
自分が経験したこの体験を伝えると『こんなにも人生が変わった!ありがとう』と言っていただけていて、とてもやりがいを感じています。その人だけでなく、周りも変わったと伝えてもらえることも多くて嬉しいです。」
結婚、出産、離婚。
様々な経験を通して、働き方や生き方に向き合ってきためいさん。これからは、栄養や運動を通して身体も心も整えながら生きていきたいと話します。
「自分の好きなことに集中できる非常勤講師をしてみて、とても自分に合っている感覚があるんですよね。生徒には週1しか会わないけれど、私の言葉が彼らに伝わっている手ごたえを感じます。
自分の経験したことをありのまま伝えることに意味があるなぁって。特に性教育の話なんかは、興味津々で聞いてくれます。自分がした失敗を伝えることで、少しでも子どもたちの未来が幸せなものになったらいいなという気持ちです。」
ファスティングや食事指導、サプリメント指導の事業も、『人生を健康に送ることでワクワクドキドキできるように』という気持ちで取り組んでいるそうです。
「一人親でも、私も娘も元気に笑顔でいられているのは食の力が大きいです。人間の細胞は約37兆個あると言われています。その一つひとつの細胞が最大限の力を発揮してくれていたら、脳みそが前向きに物事を捉えるようになって、エネルギーが湧いて、良い方向に進んで行きます。
もちろん性格や気質はあるけれど、自分がみなぎっている状態だと思考も好転するし、それが伝線して周りのエネルギーも上がっていくのを体感しています。悩んでいたり、迷っていたりする時にその不安の原因がどこからきてるのか考えることって大切ですよね。もしも、それが体の不調からきているとしたら、すごくもったいない。
調停も思うように進まなくて、心が疲れた部分も有ったのですが、今は周りの人に明るくなったねと言われるようになりました。
自分が選んだ道なので言い訳したくない。
人生の時間は決まっているので、いらないものを削ぎ落して
自分のやりたいことをやっていくお手伝いができたらと常に思っています。」
これからも、娘と二人、自分の一番輝く未来へ進んでいきたいと語ってくれました。
編集後記
めいさんが娘のゆあちゃんに接する時、『子ども』ではなく『一人の人』として向き合っているのを感じます。めいさんからの愛をたくさん受けているゆあちゃんの笑顔。栄養や運動が、その幸せをより大きなものへと導いてくれている。二人の笑顔が周りも明るくする、そんな未来がずっと続いていってほしいなと思います。めいさん、貴重なお時間をありがとうございました。
(インタビュー・編集・イラスト By Umi)
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