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黒ヤギと白ヤギ-scapegoat-

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記憶障害のヤギが出てくるお話です。
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黒ヤギと白ヤギ 下

黒ヤギと白ヤギ 下

春がやってきそうな、まだ寒い日、セラは今まで描いた絵をまとめていました。

「何してるんだ?こんな寒いときに」
寝ぼけ眼のコリートが言いました。
「もう少ししたらクマのおじさんがこの絵を買い取りにくるの」
「こんな大きいもの、沢山…家から出せるのかい?」
コリートが心配していると、セラは玄関の前の壁の数カ所に手をかける度にカチカチと音が鳴りました。

そして、最後に手をかけた場所から手を離すと、壁

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黒ヤギと白ヤギ 中

黒ヤギと白ヤギ 中

ある春の日のこと。

雄の白ヤギのヤーは旅の途中に小さな家を見つけました。
小さな家は、玄関の周りが自分の頭が出るくらいの壁で囲まれている不思議な家でした。
ヤーはその家が何故だかどうしても気になりました。

☆  ☆  ☆

家に近づいて壁をじっと覗いていると、こちらに気づいたのか家の主と思われる小さな生き物が背伸びをして壁の向こう側からこちらを見ていました。
その生き物が何なのか気になったヤー

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黒ヤギと白ヤギ 上

黒ヤギと白ヤギ 上

★  ★  ★

僕の考えは正しかった。
君をこの小さな家に閉じこめることで、誰も君に振れさせないことにした。
君は小さいから、きっとうまく隠れられるはずだ、
僕は大きいけど、僕は赤い目を持っていないから見つかっても大丈夫だ。

★  ★  ★

この世界のどこかにある町。
小さな町。ヤギの町、

そこには青い目を持つヤギと、赤い目を持つヤギがいました。

ある日、ヤギたちの町で伝染病が流行りまし

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