愛に条件はない

昔の記事を読んでいたら
こんな文章に出逢った


“一点の曇りもない透き通った存在感は
見る者の心を掴んで離さない。
三浦春馬の存在感はとても特殊だ。


漠然とした感情を言葉として積み重ね、表現し続けてゆく俳優という仕事はとても特殊だと思う。
しかしながらこの世には、人の心を掴まずにはいられない運命を背負っている人がいる。

三浦春馬もきっとそのような星の下に生まれた男だ。

”ナチュラル”や”ピュア”という言葉が、いつの間にかもてはやされ褒め言葉となった。
しかしながらそのほとんどは綿密に計算され尽くされた虚像である事が多い。

だからこそ、本物のそれを目撃した瞬間、人の心は強く打たれる。

三浦春馬という存在を一言で表現するのはとても困難だ。それはまるで切なさと冷たさを持って静かに吹き抜けてゆく秋の風を思わせる。


あっと言う間に通り過ぎてしまうのに、確かに記憶に残る不思議な風だ。”

Mensfudge 2010.11より


「人の心を掴まずにはいられない運命を背負っている人」
「本物のそれを目にした瞬間、人の心は強く打たれる」


俳優という職業は作品の中で
ある意味虚像を作りだす仕事かも知れない


しかしその虚像の中に
真の人間性の輝きを見た時
私たちは物語に引き込まれ
鮮烈な印象を脳裏に刻む


そして
作品の中で役を追ううちに
いつの間にか私たちは虚像ではなく
実像を見ている


三浦春馬の持つ透明感と力強さは
虚像の中でも強烈な存在感を放つ


ゆえに
役の個性がより際立ち
愛されるべき個性として
成り立つのだと思う


その天賦の才能は
クリエイターの創造性を刺激し
表現せずにはいられない気持ちにさせる
不思議な力を持っている

ただそんな星のもとに生まれた彼もまた
私たちと同じ人間であって
誰にも分からない彼だけの葛藤や苦悩が
あったのだろうと思う


それはどんなに理解しようとしても
できないものなのかもしれない…


アイルランドの詩人オスカー・ワイルドが書いた物語「幸福の王子」

街の中央に立つ
煌びやかに飾られた王子の像は
大粒の涙を流した

街の中に溢れている

食べるものもなく雨の中寄り添い合う子供
病院に行くお金がなく床に伏している人
空腹と寒さで書けなくなった作家

そんな人たちの悲しみを知って

その人ために自分の装飾を
ツバメに頼んで
少しずつ分け与える


最後にはサファイアでできた目さえも与え
体を覆っていた純金も与えた

みすぼらしくなった王子の像はやがて
街の人の手によって取り壊され燃やされる
冬を越せないツバメは力尽きて王子のそばに倒れた

最後に残ったのは、鉛の心臓
そばにはツバメ

神様が天使に言った
町の中で最も貴いものを二つ持ってきなさい
その天使は、神さまのところに鉛の心臓と
死んだツバメを持ってきた

神さまは「よく選んできた」と
「天国の庭園でこの小さな鳥は永遠に歌い、 黄金の都でこの幸福の王子は私を賛美するだろう」


この物語の題名はなぜ「幸福の王子」
なのだろうか?
王子は幸せだったのだろうか

春馬くん、あなたは幸せだっただろうか…

私は信じているよ
あなたが私たちに見せていた姿が
その一部だとしても


周りを一瞬で幸せな気持ちにしてしまう
無邪気な笑顔と

子供たちや動物と触れ合うときの
優しく慈愛に満ちた表情に出逢い

お芝居にかける情熱に
ひとつの曇りもなく真剣さを感じたから


あなたは確かに幸せを感じていたと


「愛し抜けるポイントがひとつあればいい」
好きな歌詞


あなたの全部が分からなくても


大好きな笑顔と優しい眼差し
一生懸命な姿を信じて愛し抜く
この先もずっと


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