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だれが僧侶で、だれが魔法使いなのか。

「市役所ならできることがあるとおもって、市役所に入りました」

昨年、箱根山学校で、陸前高田市の市役所のひとのはなしを聞いて、衝撃をうけた。NGOで海外で働いていたひとや、震災時にボランティアで入っていたひとが、この陸前高田市でちからになりたい、と市役所に就職したのだ。

「じぶんのやりたいことをやるためには、じぶんで仕事をつくるしかない」

そうおもって、一度《 病院 》という組織から離れてみた。するとどれだけ組織というものが厚い壁になっていて、社会との情報やつながりが分断されているかを思い知ったのだ。
社会で常識とされていること、社会が変わりつつあるという変化、そういったものが、コンクリートのなかで昼も夜もわからない状態で働いていると、まったく感じることができない。社会が変わりつつあるなんて、1ミリも感じることなどなかったのだ。

組織は大きければ大きいほど、変化はしにくい。その上、社会の変化にも気がつきにくい。そんな《 組織 》のなかでは、ほんとうは働きたくない。そうおもっていたわたしに《 組織のなかにいるからこそできることがある 》と教えてくれたのが彼らだった。

ーーー組織のなかにいるからこそ、できることがある。

それは、わたしから見える世界を変えてくれた。

しごと自体はきらいじゃない、むしろ好きだ。だけど、どうしていいのかわからない。でも、この施設のなかにいるからこそ発揮できるちからがあるし、変えていける空気がある。組織に所属することは、やり方しだいでは強みになりうるのだ。

だけど、仲間が見つからない。
ひとりでは絶対にむずかしい。
働きはじめて1年もたっていないコミュニティのなかで、なにを言ってもよそ者が、なにもわかってないくせになに言ってるんだ、と白い目で見られるのが関の山だ。

そんなとき、ふと思い浮かんだ1冊の本があった。
「ビリギャル」坪田信貴先生の「人間は9タイプ」の本だ。

以前読んだ、「才能の正体」はとてもおもしろくて、今すぐに使えない部分もそのうち絶対に必要な知識になる。絶対にこの本に戻ってくるときがくる。そう確信して大切にしている本のうちの1冊だ。

坪田先生のこの本なら、もしかすると、ここでできることを増やしていくためのなにかヒントになることがあるかもしれない。そう考えたのだ。

そしてそれは、大正解だった。

この本には、「仲間の集めかた」というよりは、「今いる仲間が、だれが勇者で誰が魔法使いで、だれが賢者でだれが僧侶なのかを知ろう。そしてそのちからを大いに発揮し合うためにはどうしたらいいか」ということが書かれてある。

それはもちろん、じぶんが職場でどういう特性があって、どういう役割を発揮することができるのか、ということも含め、である。じぶんの特性にあったはたらきができれば、そして、受けやすいストレスがわかれば、じぶんを守ることもできるし、パワー充電もちゃんとできる。

そのうえで、僧侶に魔法を使えと叱るのではなく、僧侶には僧侶のちからを発揮するスイッチを押し、魔法使いにはその杖で釘を打つのではなく魔法を使ってもらえるように接すればいいのだ。そうすれば、みんながちがう役割を果たし、本質的な問題解決にむけてチームでちからを発揮することができる。

ちなみに、わたしは『研究者』がいちばん高く、次いで『芸術家』と『楽天家』が高かった。

以前この記事のなかで、「チームマネジメントの役割もあるのかも」なんて、いかにもできそうにほざいていたけれど、残念ながら『統率者』は0で、うすうす勘づいてはいたけれど、どうやらリーダーシップはとれないみたいでした。まあ、じぶんでも非常に納得です。

そして、

「社会人」というのは、「知識」、「技術」、「人付き合い」の3つを頂点とした三角形で構成されている。
①まず、知識をベースに、技術を高める。そして人付き合いをする。
②すると、「ミッション(任務)」という頼み事をされるようになっていく。
③君が今まで蓄積した「知識をベースとした技術」によって、そのミッション(任務)をコンプリート(達成)していく。
④するとさらに「信頼」が増して、より大きな「ミッション(任務)」を頼みたい人(君のファン)が増えていく。
 つまり、君は、知識があればあるほど、技術が高まれば高まるほど、さまざまな人からより高度なミッション(任務)を与えられ、それをコンプリート(達成)していけばいくほど、より信頼され、それによってより深い人付き合いができるようになる。
 そして、人生というのは、この「知識」、「技術」、「人付き合い」を深めていけばいくほど、最高におもしろい冒険になるんだよ。
知識がなければ技術は生まれないし、どれだけ知識や技術があっても、人付き合いがなければ、「ミッション(任務)」はもらえない。
 だから、どんどんレベルアップして幸福になるためにも、頼まれごとをされたら、極力断らずに、必ず達成しようと努力するほうが良いんだよ。
〜中略〜
 そうするうちに君のファンが増え、君は自分が生きている価値を強く感じるようになって幸福感が増していくーーというわけ。
 これこそが、働く喜び、人生の喜びの本質だと思うんだよね。

もちろん、ごはんを食べて、青い空を見上げてしあわせを感じるのも生きている実感のひとつではある。だけど、なにもせずにしてもらうだけでは物足りない。

以前、職場の先輩が認知症の研修で感銘を受けたまなびを送ってくれたことがあった。

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そう。ただただ、暮らすだけではなく、だれかの役にたつこと、必要とされることが、幸福感に影響しているのだ。

社会には、いろんなひとがいる。
いろんなひとがいるなかで、それぞれの役割を発揮し、うまくまわりだしたら、それってものすごくおもしろそうじゃないだろうか。


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