短歌(労働するたぬき編)

今年5月に開催される「文学フリマ東京36」にて、日常や性癖について詠んだプチ短歌集を発行します!
開催日時:2023年5月21日(日) 12:00〜17:00
開催場所:東京流通センター 第一展示場・第二展示場Fホール
イベント詳細は→こちら

新刊に収録予定の短歌のうち、今回は「労働」について詠んだ歌を紹介します。
もしお気に召しましたら、Twitternote(随時更新予定)に投稿している、他の作品もご覧になってもらえると幸いです。

人間になりたい(なれない)

シャンプーをつめかえるとき人間として暮らせた気がしてうれしい

「ふわふわのしっぽが見える時がある」らしいから私、人間やめたい

「小動物みたいな奴ってことですか?」
「うーん……違うな、たぬきとかやな」

人間の皮をかぶって生きている人間になれぬ私が生きてる

いっぴきのけものになりたい夜がありよんほんあしで床を這いずる

顔も歯も洗わず毛布にくるまって床で寝るときわたしはけもの

社畜

なで肩の憧れ仕草第一位「受話器を肩と耳で挟むやつ」

生きるのが下手すぎるから22時LEDを消して退勤

仕事やだ13時間後に終わるソシャゲのイベをただ走りたい

「5人だと仕事回すのキツいすね」「ほんとは定員4人だよ」「え?」

働くの向いてないけど働かぬことも向いてないはわわじたばた

あまいものだいすき

コーヒーで眠気を覚まし牛乳で便秘を治す時のせつなさ

ヘゥ…という声出しながらぺしょぺしょとプリンを掬い胃液で溶かす

今日はまだ耐えられるから食べないよ「傷ついた日」用クリスプサンド

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