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短歌まとめ(2024年1月)

自選短歌5首

天井のしみと対話 まなじりをつたう心の発露一滴

「君が好き」だけでよかったあの頃は虹も七色だけでよかった

歴代の推しが教えてくれたこと 裏切られても嫌えないこと

身長が今の半分だった頃裸眼でどんぐり拾いができた【題『橅』】

ひとが本読むためにある体かな」と彼は義手で頁をめくる【題『体』】


そのほか1月に詠んだ短歌

「ばいばー」と去る2歳児とハイタッチ 吾が掌の冷たきを知る

午前9時〜正午のみ診察をしてたじじ医がいた医院跡

鳥の檻は動物園の西寄りにあり取り取りにとびの飛びをり

「使えない」「そうよ私はあなたには使いこなせるわけがないのよ」

精神科徒歩3分で行けるのに1時間かけ通う火曜日

拍動を消費するなよていねいに生きろにんげん野菜も食べろ

歴代の推しが教えてくれたこと 青天井は悪い文明

歴代の推しが教えてくれたこと 蠱毒、粉塵爆発、地獄ゲヘナ

歴代の推しが教えてくれたこと 地獄の外も地獄ってこと

歴代の推しが教えてくれたこと ギャップがあると軽率に沼

歴代の推しが教えてくれたこと 白髪ロングの美形は強敵

シャンプーとリンスみたいにニコイチで詰め替えのきく関係性だ

高校の古い自販機 120円で一息ついたあの冬

かわいそうだね人柱だねきみは 人外からのクソデカ感情

才能がなくても君がいなくても米津がいても俺は詩を書く

冷戦のさなかに父のガラケーが第九喜びの歌を鳴らしはじめて

ミリしらの母に描かせた炭治郎どこか老けてて父に似ている【題『りし』】

心では「帰れクソ客」を言い換えて「お帰り口はあちらですわよ」【題『品』】

ひざ掛けとラクダ色した腹巻きにくるまれている冬の堕落だ【題『ラクダ』】

「試合」とか「弁当が要る」とか書いた暦と「卒業式」でさよなら【題『暦』】

自然がない?家賃が高い?その悩み解決するよ そう、奈良ならば【題『なら/ならば』】



1月は今まで通りの「日常と性癖の短歌」のほか、短歌投稿サイト「うたの日」様に投稿した歌が多くなっています。
そろそろ題詠をやってみたいな、と思ったので勢いで参加してきました。

今後もしばらく「うたの日」様の歌会にお邪魔して、題詠を楽しんでいきたいです。来月もよろしくお願いします。

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