生きてていいんだと思えるリスト

行動リストを見て、涙が出た。
荻上チキさんが紹介していた「心理的危機対応プラン:PCOP」を読んでただけなのに。

「死にたい、と思うくらい辛い気持ち」のとき、自殺や攻撃以外の出口を短時間で見つけられるようにと考えられた手順。そこに、巻末資料として、「コーピングレパートリー」がたくさん挙げられていたのだ。

「コーピング」というのは、ストレスを感じたときに行う対処法のこと。たとえば、仕事中疲れたなーと思って、いったん席を立ってコーヒーを淹れるとか、コンビニに飲み物買いに行くとかもコーピング。一般的には気分転換とか気晴らし、とかでしょうか。


鬱っぽくなると、そのコーピングのレパートリーが極端に少なくなってしまうから、そこをなんとかという意図らしいのだけど。
具体例、泣ける。

ごくごく一部を引用する。

●ダラダラしてみる
テレビを見る、映画を観る、…、インターネットをする、二度寝や三度寝をする、LINEやSNSで時間をつぶす、お菓子を食べてひたすらゴロゴロする、1日中ベッドの上で過ごす

●無意味なことをする
ヘンな顔をしてみる、部屋の中で走ってみる、一人で笑ってみる、独り言をひたすら行ってみる、カーテンを明けたり閉めたりする、紙ふぶきを作ってまき散らす、壁をひたすら押して感覚を味わう、部屋の中をグルグル回る、メチャクチャなダンスをする、人のいないところで奇声を発する、紙を細かくちぎる、りんごの皮を細くむく、ものまねをする、人を笑わせる

●おしゃれをする
メイクの練習をする、服の組み合わせを考える、マニキュアを塗る、口紅を塗る、好きな靴を履く、髪の毛をセットする、アクセサリーをつける

●発散する
ベッドを殴る、枕を壁に叩きつける、棒を振り回す、号泣する、大声で歌う、新聞紙をやぶる、シャドーボクシングをする、クッションに顔を埋めて大声を出す、クッションを叩く・投げる、いらない紙を思い切って破る、目の前の空気をパンチする

http://stopijime.jp/wp-content/uploads/2020/03/PCOP-user_v2single.pdf

これを読んでいるだけでも、生きてていいんだ、って思ったりしませんか。

あ、無駄なことしてもいいんだって。
しかもそれが推奨されてるんだって。
ちょっとびっくりした。


「無理しないでね」「休んでね」「ありのままのあなたでいいよ」
そう言葉で言われたとしても、概念としてはわかるけど、体感には落ちないじゃない。

わたしはこのままでいいんだ、という受け入れる感覚を、具体的なアクションで作れるんだってことに新鮮に感動した。
「ヘンな顔をしてみる」とか「メチャクチャなダンスをする」とか、いまタイピングしてても涙がにじむ。しょーもないことしてもいいんだ。

いかに自分が、透明の糸で縛り上げられているかわかる。このリストを見ていると、それをぷちんぷちん切っていくこともできる。


さいきんとみに思うのだ。
「できること」を増やしていくのが、生きてく楽しみだと。その「できること」ってのは、料理ができるようになる、英語を話せるようになるとか積み上げ系のものというより、「やっちゃいけないと思ってたことをできるようになる」っていうオセロ裏返す系のやつ。すると、ものすんごく自由になっていく。

死ぬほどつらいときじゃなくたって、ちょっと弱ったときにでもこのリスト見てみるといい。生きてていいんだって思えそうだ。

うめざわ
*コーピングについては、チキさんのこちらの動画がわかりやすい。

*このリストの元ネタは、伊藤絵美さんの著書だそう。この本なんかも友人から教えてもらってた。すごいよこれも。



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