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イチローのキャッチボールみたいな『わたしのごちそう365』寿木けい著


海外に行ったらレストランじゃなくて、現地の人が毎日食べてるごはんを見てみたい(私は海外なんて行かないけど)。それとおんなじように、誰かの生活をのぞき見するなら、知りたいのは、おめかしごはんじゃなく、いつものごはんだ。そうでしょう?

で、野次馬根性で覗いたおうちのごはんが、それは丁寧でおいしそうだったらもう悩殺されますよね。毎度のごはんを工夫して美しく調えているというそれだけで、なんかもう、先輩!ついてきます!ってなりませんか。(っていいながら雪の宿をばりばりかじる)


『わたしのごちそう365』は、Twitterに毎日アップされている140字レシピがまとまったもの。なんだけど。なんだけど。レシピ集というよりか、もう、歳時記のようにして読んでいる。

ネット上で見られるのはこれかな。
▼「きょうの140字ごはん」寿木けい
https://twitter.com/140words_recipe

ちょっと見てもらったらわかると思いますが、あれじゃない?
漫画家がファミレスのナプキンに描いた落書き的な、地元のバッティングセンターイチローがいる的な、あるいは楽器店で葉加瀬太郎が安ヴァイオリンを試し弾きしてる的な(そういうYouTube見た)。
力をもてあました玄人が手すさびにやってる、格の違いみたいなのありませんか。素材の組み合わせについても、献立全体にしても、言葉選びについても。

毎日の食事ってこともあって、達人の渾身の作とは違う、しなやかさが最高ですよね。どこかで土井善晴さんが書いてたの思い出したわ、和食の料理人として家庭料理を作ってたときは「宮大工の作る味噌汁」みたいで整いすぎて美味しそうでなかったと。料理にも楷書と草書みたいなモードの違いがあるんでしょうね。さらさらと書いた草書がめっちゃ達筆みたいなさ…そういう人にあこがれますな。

ということで、この本は見ても読んでもオススメなのですが、どうやら版切れ。ぎゃーん。と思ってたら、新作が出ていた!

『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』寿木けいhttps://www.shogakukan.co.jp/books/09310633

はああ、「名もなき20秒卵」ってネーミングにやられた。しかもそれを、あんかけ玉子丼にしたり、大豆と根菜のトマト煮込みにかけたりだと…このアレンジの多彩さよ…(試し読み11~12p)ああ。買おっと。


うめざわ
:最近気づいたのよね。レシピ本は好きなんだけど、料理自体はたいして好きじゃない! なんなんだろなこれは。参考書好きの勉強嫌いみたいな?

:イチローと真央ちゃんがキャッチボールしてる動画これ大好きなんだ…



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