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3DプリンターOLO/ONOを調べる

ふと思い立って5年ほど前の「OLO 3Dプリンター」プロジェクトについて情報を探してみました。
スマートフォンのフロントパネルの光を使って樹脂を固める、光造形する3Dプリンター。その技術に驚くだけでなく、100ドル程度の価格でリリースされると言うことで、大きな話題を呼んだのです。

16年3月、クラウドファンディングサイトKickStarterに立ち上がったこのプロジェクト。開始10分足らずで目標額の8万ドルを集め、最終的に232万ドル、支援者数16,000人という、ビックプロジェクトになりました。

予定では16年9月に予定されていた商品発送。しかし、その期待は裏切られる事になります。クラウドファンディングではよくあることではありますが、「発送遅延」が告げられたのです。16年11月の投稿でそれが明確に書かれており「発送する準備はできているが、製品に関する国際認証取得が送れている」とのこと。

初期の遅延理由はこの認証取得によるものでしたが、技術的課題、スマホの新製品に対応させるための改良、製造トラブルなどを理由にして、遅延が繰り返されていきました。日に日に増すプロジェクトへの不信感。ページの最新情報コーナーが更新される度に、コメント欄が荒れていきます。その後60ほどの投稿がつづくのですが、19年3月、この日のメッセージを最後に、プロジェクトページの更新がストップしていました。
『16,000のレンガを届けたくはない。製品を届けたいのだ。』という心強いメッセージは、どのように支援者に届いたのだろう。

この出来事について去年のこの記事に、とてもわかりやすく(時系列に)まとめられています。

3Dプリンター方式の中で、最も安価と言われているのは樹脂積層型です。ONOの採用している光造形方式は、高価な機材に分類されます。
今日の樹脂積層方式の3Dプリンターは、Amazonなどで300ドル(3万円)程度の機材を探すことができます。しかし、このキャンペーンが発表された当時は、1000ドル(10万円)以下の機材は無かったんじゃないだろうかと断言できるほど、機材商品の草創期でした。そんな中で光造型3Dプリンターがこの価格で手に入る、というのは相当なインパクトでした。もちろん、現代でさえこの価格で買うことはできません。

未だに未発送となっているこのプロジェクト。いよいよ5年目に突入しています。
キックスターターのコメント欄には、返金を求めるメッセージが今も投稿されつづけています。次の投稿があるのか、それともこのまま沈黙となるのか。時々気にしてみようと思います。



『投げ銭』システム導入しました!! サポートが増えてきたら、何処か取材に行きたいな。