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21.退院する朝

PTの訓練は順調に進み装具も納品され、装具を付けた病院外周のお散歩も平気になったころから、私は次のステップの「退院すること」を考え始めました。

大学も夏休みに入っていましたが、10月から始まる後期には完全復帰を願っていましたし、その前に家での日常生活に復帰をしないといけないので8月のお盆シーズン前に退院することを決めました。

もっとも、180日ルール(標準的算定日数)のリミットにも近づいていたこともあって、退院する方が良いとも判断していました。(2月発症だから、180日後は6カ月後の8月なので丁度良かったのかもしれない。)

私の時代は180日を超えていても外来で長期間リハを受けることができましたが、今は外来でも180日と決められているのですね。(その後は介護保険でのリハかぁ~~。)

退院の朝、スッカリ仲良くなっていた話し手さんが花束を持って来てくれました。その瞳には涙があふれていて「さみしくなるよ~。」って。

でも、通院の時には必ず病室に寄るからと約束をして退院の手続きに向かいました。

1階の待合室では、同じく患者さんで友達になっていた男の子たちもいて、退院を祝ってくれて。彼らも退院後に高校に復学すると言っていました。

バイク事故で脳挫傷を抱えた子たちで、高校も中退しようとしていたのですが、私が入院中に大学に通学していたのを横目で観察していたのでしょう、自分たちも同じように高校を卒業したいと考えたようです。目標がなかったけれど、復学することが1つの目標になったと話してくれました。

老いも若いも関係なく、職業もバラバラで一緒に過ごせた楽しい病院生活でした。

退院してからは色々なことが待っているだろうけど、頑張ろうって思った退院の朝でした。

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