めっちゃピンチ

同級生が昨年とっくになめた辛酸を、

今ごろわたしはなめ、

今の天気みたいに、実家の子ども部屋でひとりじめじめしています。

23歳の夏のことです。


ゴールデンウィーク明けからやっと就職活動をはじめ、説明会を聞きエントリーシートを書き、謎のテストを受け、容赦なく落とされるという恐ろしい経験をし、夜ごと枕を濡らすことも少なくありませんでした。

対面をする以前から門前払いを食らっては、何がどうダメかもわからず、曖昧な悲しみを一方的に送り付けられるばかりで、ただポカンと立ち尽くしていました。

そこから一か月経ち、そんなわたしに一筋の光を注いでくれた!と思いこませてくれたのが今回の件でした。

すすめられるままに現場見学に行き、なんとなく楽しかったから一次面接を受けてみたら通過し、小躍りしました。

おまけに面接官のフィードバックとやらは褒め言葉ばかりで、イージーかよとまで思いました。

それはめちゃくちゃな大フラグで、しっかり最終で玉砕しました。

面接では自分でも驚くほど緊張が一切なく、おかしいと思いつつ自然に話せたのですが、評価されていることを意識しなすぎたのかもしれません。

なのでこれでうまくいったらうまくいきすぎだ、と思っていたのでその勘が当たったようです。

とはいえうまくいきすぎであった欲しかった。結果待ちの間、生きた心地がせず、本当に死んでしまいました。

また一からやり直しです。

ごはんも食べずにひとしきりめそめそ。

でもいつまでもめそめそしていても、歴代の学生を振り回しては悲しませ、その様を肴に酒を愉しんできた、憎っくき就職活動の思うつぼです。

あたしゃそんなのヤだよ。


今のところ、眼前には黒雲が立ちこめていますが、さぁこれが灰色になり、象牙色になり、とうとう無色透明に開けるときはいつになるのか、見ものです。


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