327冊目:少年の日の思い出/ヘルマン・ヘッセ
こんばんは、Umenogummiです。
きょうは国語の教科書にも掲載されている、切ない夏のお話です。
少年の日の思い出/ヘルマン・ヘッセ
あらすじ
私の元に訪れた客(僕)が、私の蝶のコレクションを見て忘れがたい苦い過去を回想します。
僕は子どもの頃蝶の収集に夢中になり、珍しい蝶を捕まえ、標本を友人であるエーミールに見せようと思い立ちます。しかし少し翅が欠けていたことからエーミールに酷評されてしまい、僕は二度とエーミールに標本を見せまいと誓います。
数年後、エーミールが珍しい蝶を繭から羽化させたと話題になり、その蝶を強く欲しいと願っていた僕はエーミールの元を訪れますが…
感想
実はこの作品のタイトルは2つあって、
一つは「クジャクヤママユ(原題:Nachtpfauenauge)」で、ヘッセが書いた初稿のタイトルであり、ドイツではこちらの方が一般的なようです。
クジャクヤママユは僕が欲しがっている蛾の名前ですね。
もう一つはおなじみ「少年の日の思い出(原題:Jugendgedenken)」。日本で初めてこの作品を翻訳された高橋健二氏がヘッセから受け取った新聞の切り抜きに載っていたこの作品のタイトルがこれだったそうです。ですから、日本ではこのタイトルが広く知られているみたいですね。
ちなみにドイツでは蝶と蛾を区別する言葉がないのだとか。ドイツ語って奥が深くて好きですねー。
子どものときに読んだときはふーん、僕ってバカな奴だなくらいにしか思っていませんでしたが、大人になるとなんとなく僕に共感できる部分もあるなぁと感じます。
それは誰でも忘れがたい子どもの頃の過ちを持っているのからなのかもしれません。
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