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I know

 間接照明だけが私の身体を染める夜、スピーカーで音楽をかけた。少し哀愁漂う中、過去を偲ぶトラック。身体はノらないけれど、心と脳は明らかに覚めていっている。夢か現実か分からないこの嫌な空間を現実に変えていっている。2人の男性の声質は派手ではない。でも私の心を掴んで離さない。多くを語らなかったこの曲は私の中で補完してただ私を人間に戻してくれるようだ。

 みなさんは21savageの"a lot"という曲を知っていますか。正確には"a lot feat. J.Cole"であるこの曲。私は洋楽の中でトップクラスに好きです。I love you...から始まるトラック、わかりやすいHOOK(サビ)など色々好きな理由はありますが、特にその内省的な歌詞と構成力の高さが大好きです。

 a lot、日本語で言う「沢山、大量、いっぱい」という言葉を沢山散りばめられたHOOKは彼の人生を物語ります。

 自問自答じみたこのHOOKの心地良さが堪らないです。そして、これが私の心とも一致します。

 夜中の苦しい時の自問自答。苦しむ理由や意味を探す為に自問自答を行います。第三者視点の私が言うのです。「貴方が傷つけたから」「貴方が苦しめたから」「貴方が生きてるから」「貴方が愚かだから」「貴方が何も見えてないから」全部分かっています。その通りです。他人の責任なんかじゃない。生きてきた私の罪や苦しみです。誰のものでもない、ただの私の傷跡。だから、もうそんな声には「うるさい」でも「ごめん」でもなく、「知ってる」って答えるられるようになりました。その責任も背負わなくてはいけないのです。私が生きてきた足跡は波に攫われても消えません。そして、これから背負う罪か無くなるよう、背負ってしまう苦しみを抱きしめられるように私は歩いて行かなければなりません。

 「貴方が孤独なのは人を信じられないから」「知ってる」「貴方が死にたいのは自分に価値がないから」「知ってる」「貴方の欲しかったものがこの手にないのは何も見たくなかったから」「知ってる」「貴方が人に期待するのは自分を助けて欲しいから」「知ってる」「貴方が生きるべきでないのはこの世界のマイナスだから」「知ってる」「貴方が生きるべき時間はもう終わり」「知ってる」

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