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ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~

ボケますからよろしくお願いします。おかえりお母さん

認知症の母を90代、もうすぐ100歳になる父が介護する
その姿を見守るひとり娘(監督、撮影、語り)

もうすぐ100歳のおじいちゃん。
おばあちゃんが何でもやってくれていたから
読書が趣味くらいで何もすることのなかったおじいちゃん。

おばあちゃんがアルツハイマーになった。
おばあちゃんは徐々に衰え、記憶もあいまいになってゆく

おじいちゃんは、おばあちゃんの介護をしていくうちに
どんどん若返ってゆき、なんでもできるようになる。

アウシュビッツから生き延びた心理学者フランクルが
著書「夜と霧に」の中で、
アウシュビッツから生還出来た人は、
何かしら「生きがい」があった人、
「アウシュビッツを出てから自分はこういうことをする!」という
「やるべきこと」があった人だった。と書いていた。
フランクル自身も、未発表の論文があり、何としてでも生きて発表しなくてはならなかった、だから、生き延びることができたと。

映画を見ていて、おばあちゃんはおじいちゃんの「生きがい」だったんだな~って思った。

腰が曲がって、よちよちとしか歩けないおじいちゃんが
おばあちゃんが入院している病院に毎日歩いて通う。

娘さんが、お仕事を辞めて、介護をするという道もあったと思うけど

手を貸すことだけが助けじゃないんだって思った。

介護をしながらおじいちゃんは進化している
人はいくつになっても成長する

おじちゃんの愛情を引き出させたのは
むすめさんの愛だったのかもしれない。

娘さんの愛は映画を見ればよくわかる。

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実は私もこの映画と同じ

父、母、私は一人っ子
父母と離れて暮らしている

父が脳梗塞で体が思うように動かなくなり
足の悪い母が父の介護をしている

本当はもっと、介護にかかわったほうがいいのかもしれないけれど

母曰く、「まわりの人が助けてくれるから大丈夫 」

「ケースワーカーさんや、施設の方、ご近所さん、みんな力を貸してくれるからありがたい」と。

そう聞くと、無理して私が実家に帰って、余計な口出しするよりも
母は母のペースでやっていけるから
そのほうがいいと思うから

ぎりぎりまで見守っていくつもり。

きっとたくさんの介護のカタチがあると思う。
もちろん、家族一丸となって、サポートしていくご家庭もあると思う。
介護する側もされる側も少しでも楽でいられる方法は
それぞれちがっていいと思った。

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良い映画を見た後は、あまり感想がなかったりする。

飾らないそのまんまの現実
ドキュメンタリー映画だからこそ、
伝えたいところがしっかりと伝わってくる

シンプルに
とっても良い映画だと思った。

自分はどんなふうに最後を終えたいか…も…ちょっと考えたりした。

人生の最後にあんなふうに愛されるのもいいね。素敵だね。って思ったりもした。


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