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恋模様~エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版~

1990年代が30年も昔しになるなんて、1990年代私は、2020年代の自分の姿を想像することなんてできなかったけど、20代の私が想像できなかったぶんの月日を生きてしまった。

『エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版』を見た。1994年の台湾の映画で1995年に日本で公開されたようだけど、その頃も映画は好きだったけど、この映画の存在は知らなかった。

1995年頃って、今日までの人生で一番自由だった。楽しかったけど、恋愛も、仕事も、人間関係も、映画と同じように、なんだかぐちゃぐちゃだったな~と。心のスクリーンには自分の過去が同時上映されていた。

「情」という言葉が何度も出てきたけど、台湾は日本よりも、情が深いように思えた。家族にも友人にも、深い愛情を注ぎ、結びつこうとする。
感情表現も日本人よりも豊かだ。映画だから?演技だから?かもしれないけど、怒るシーンが何度も出てきて、けっこう激しくて…
なんか、人間らしくて、いいなって思った。

登場人物の考えや気持ちの動きも、台湾らしさ(日本はそれないな~)、みたいなものがあって。でも、それは、登場人物のつくられたパーソナリティなのか、時代的なものなのか、よくわからないけど…
「私はそんなふうに考えないな~」とか、「それはないないな~」っていう、微妙な違いを、理解したいぞ!、って寄り添いながら、見た。

登場人物たちも、みんなそんな気持ちだったのかもしれない、すれ違いとか、誤解、とかが多いから、じれったくて、「わかってあげたいな」って、見ててハートが動く。

男の子はどの子もぱっとしないけど、女の子たちがみんなかわいくて、その可愛さって、岡崎京子の漫画の中から飛び出してきたみたいなかわいらしさ。今よりもお化粧が濃くて、唇がセクシーで、お洋服も色っぽい。

最後のシーンがいいんだよね~
終わりよければすべてよし!
絡んでいた糸がほどけたような…
ウォンカーウァイの恋する惑星に似た爽快感が残った。

そしてエンドロールの映画に関わった人々の名前に後ろに「先生」ってついていたのが衝撃だった。台湾の人は目上の人をリスペクトするって聞いたことあったけど、なるほどな~だった。

看護師さんがナースキャップを被ってって、そういえば!私もあれを被ってた時代があったな~と、懐かしく思った。

いろんな意味で懐かしさがあふれる映画だったけど、なんだろ~、何に一番感動したのかな?これ!というのがないんだけど…なかなか良かったです。







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