青空に映える、コスモスと金木犀

ベランダから隣家の庭を見ると
まだ咲かないコスモスが
きみどりの低木のように茂っていた

実家の庭には、母好みのチョコレートコスモス

同じコスモスでも、花びらの色形などが異なる
一見して、コスモスとは判らない

コスモスが咲いて
「爽やかな秋だね」となり
どこからか、金木犀の香りが微かに風へのる

柑橘系を鍋で煮詰めて
砂糖を焦がしたような甘い香りは
なぜか断続的に匂わない

さりげなく、鼻腔を通り
また匂いたくて、思いきり鼻から息を吸い込む

よく見かけるピンク色のコスモスや
茶色のチョコレートコスモス
黄金色の金木犀も
イメージは
晴れて澄んだ高い空と少しぬるい空気が似合う

秋になると当たり前の光景なのに
どうしてだろう

ほんの小さな楽しみを、人は求め
ほんの小さな楽しみで、こころは豊かになり
ほんの小さな楽しみが、また来年の定め事になる
そして
ほんの小さな楽しみだから、見失うことがある

幸せは、気取りがなく作り込んでない
素のままだから、気持ちが掴まれる

人間は、素のままの自分を愛されたいと願うが
実際は人工的な体温を感じない人が愛されやすい

植物や動物のように
自然な自分が愛されたなら
どれだけ生きやすかったか
メトロノームの雨粒を傾聴し、憂いを感じる

(文字数=500字)  #1分マガジン

・:*+.小牧さん.:+
参加させていただき
ありがとうございます