手強いあの子はわたしの親友

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私の親友は小動物のようだ
可愛らしく、見ていて飽きない
しかし、彼女より手強い子は私の周りにはいない


両手を添えてクッキーやポテチを食べる
小さな口で少しずつ齧る
彼女だから反感を買わない
リスのような愛らしいスタイルが彼女なのだ

小1のとき、彼女はクラスで1番小さな身体だった
普段はおっとり、のんびりしていた子が
徒競走で大差をつけて1位になった
以後、小2から中3までリレーの選手だった

彼女は身体が小さいから、下に見る人がいた
しかし、彼女は
作文を書いても、絵を描いても
片っ端から賞を総ナメにしていく
彼女を下に見る人より、ずっと器用で賢かった

高校のときは、軽音部でギターだった彼女
慎重にコードを拾い
小さな手でEric Claptonの
change the worldを弾いてくれた

大学を卒業し、彼女は夢を叶えた
出版社に勤務し、取材や記事を書いている

彼女のInstagramは地味だ
何もひけらかすものがない
見栄を張らない「画像日記」

加工をしなくてもセンスが全面に漂う
能ある鷹は、煮ても焼いても
悔しいけど「鷹」なんだ

マウントを取らない生き方が
マウントを取られても気にしない生き方が
Instagramから伺える

彼女に「文章が上手になりたい」と私は聞き
彼女は「上手いヤツなんかいない」と一蹴した
「まずは『正しい日本語』から学べ」と言った
「話はそこからでしょう」と

彼女の意見は、彼女を含め3人から聞いた
いずれも文才がある

たしなめるように告げる彼女の口ぶりは
インコがさえずるような滑らかな高い声だった