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『米を研ぐように』〜日々の記録〜

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気が向いたときに一日の出来事を記録します。
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5月11日水曜日、曇り。

5月11日水曜日。曇り。肌寒い。朝から上島竜兵さん逝去のニュースが流れると、その後悩みの相談窓口のインフォメーション。またか。数日前にも、某ベテハン俳優逝去の報道があった。同様に窓口への相談を呼びかけていた。この国の自死の数は今年に入ってから3ヶ月で5千人弱。生きることに絶望する心情はわからなくもない。志す仕事の尊厳を共感してもらえない。いや、共感くれる人はいないわけではない。そういう人が組織の内側にいないというだけか。 「マイスモールランド」(監督/川和田恵真)をミッドラン

石蹴り

 小学生の頃、学校の石を家まで蹴って帰れるか。そんな遊びをしていた。通称『石蹴り』ーなんの捻りもないネーミングー  金曜日に息子の小学校から届いた「不要不急の外出を避けてください」というメールに従って、昨日から家にひたすら引きこもっていたけれど、流石に日曜の夕方になると外出願望が湧いてくる。朝からNetflixで『新聞記者』全六話を一気観し、息子は友達とニンテンドーSwitchで通信対戦をしていたけれど、体が太陽の光と外の空気を欲してしまう。  特にあてもなく散歩に出る。あ

2021/07/22(THU)

飛向、初の海水浴。 人数はピークと比べると半分以下。 海への道中は渋滞もなく、駐車場もすんなり見つかりストレスフリー。 初めての海水がしょっぱいとはしゃぐ飛向。 珍しく妻も海の中に入り楽しそうで、 その間何も考えず浜辺に寝そべり心を休め、 命のありがたみを感じる。

寛容な触れ合いの中で、もっと生み出す力を身に付けたい。

数日前にFacebookに投稿した文章に、所属する会社から削除命令が下った。確かにプロフィール欄に所属会社を記載してしまっていたのは僕の気遣いが足りなかったことであるので反省したい。しかし、書いた内容が間違いであったとは思いたくないので、所属を明記していないnoteに転載しておきたいと思います。 ====================== いろんな柵があるのでFacebookでの発言は控えて来ましたが、やっぱりそれはナンセンスだと思い直し、控えることを辞めることにしました

朝顔フィルム

もう一年以上前のことだったと思う。一年生の終業式の日、息子が学校から持ち帰ってきたのだった。乳白色のフィルムケースに、学校で育てた朝顔の種が詰め込まれていた。今どきフィルムケースなんて学校にあるのかと疑問に思ったが、入れ物が欲しくて、どうやら息子は僕の部屋に転がっていた一つを拝借したらしい。そのうち僕の財布の中身も拝借するようになるだろう。 それにしても、多くないか。ケースの半分ほどの嵩になろうか。三十個はくだらない。「せっかくできたのにもったいない」と言って、自分の育てた朝

2021/03/12(FRI)

雨。週初めにあった川崎での撮影から、何故だか疲労が抜けない。朝から久々に出社するも、午前中はろくに仕事は進まずうだうだ数件のメール返信を済ませ、同世代の岡田氏を昼食に誘う。 仕事のついての考え。職場の風通しの悪さ。自分たちや年下の仲間たちと、年長者たちとの考え方のズレ。心身の療養期間のことを打ち明け、本当にやりたい仕事。評価されるべきこと。渦を巻いていた思いを吐き出し、少し気が晴れたように思う。 夕刻。近藤氏との面談。映画を足がかりにしたコンテンツビジネスに関する親会社から

Moanin'

幼い頃通った幼稚園のバスが 駅の高架下を潜ってゆく 線路の擦れる音が近づいて イヤホンから流れる音楽を思い出す 「雨が上がった午後」控えめな歌声 次はいつ晴れるだろう 電車は遠く離れていった そっちはどっち こっちはどっち 容易に伝えられる言葉が在れば 小説なんてこの世に存在しない 写真なんてこの世に存在しない 誰かの心が止めどなく 生き苦しいと叫んでいた 生きていたいと叫んでいた 誰かに受け取って欲しいと願う 或る小さな生命の傷み 地下鉄のエアコンから流れる風が 中吊り

みんな、なかよく。

僕ら大人たちは、子どもたちに「皆と仲良くするんだよ」と言う。果たしてそれは本心だろうか。 大人たちの社会には諍いが絶えず、諍いが諍いで済めば良い方で、相手を罵り合い侮辱し合い、終いには物理的、精神的な暴力を行使し、多くの資本を持つ側が正義と実権を得て弱者は淘汰される。分かり合えず、許し合うこともなく、歪んだまま壊れてしまう人間関係で世界は溢れている。 それでも僕ら大人たちは、子どもたちに「皆と仲良くするのだよ」と言い続けるのか。 皆と仲良くなんてできないのだから、まずは嘘をつ

撮(らえ)る。

広告映像作りを生業にしていながら、ずっと抱えている満たされない感触がある。 語弊を恐れずに言えば、プロデューサーという立場は自分が手を使って仕事をする機会が少ない。制作過程の計画を組み立てたり、御膳立てをしたり、仕上がりのイメージをチームに示していく仕事だと僕は思っているのだけど、広告映像というのは規模が大きくなればなるほどに、あらゆる柵(しがらみ)にまみれていくので、映像作りの本質から脱線する仕事が増えていく。 初心に立ち返ってみると、「映像を作る」というのも言葉と

7月の彼是

某日。妻の祖母が亡くなり、妻は朝早くから葬儀に出かける。新型コロナウィルス感染者は愛知県でも7日連続50人を超えていることを考慮し、息子と僕は参列を控えることになった。享年89歳。結婚した当初から妻や義理母たちも祖母と疎遠になっていたこともあり、一度もお会いすることが出来なかった。ご冥福をお祈り致します。この日僕自身は体調が芳しくなく、朝から続いた頭痛が正午頃ピークを迎える。検温すると37.0度。平熱が高い僕には平熱の体温。ただただ頭が痛い。座っていることも出来ず午後からベッ

“映画”を待ちながら。

自粛生活中の5月初旬に制作した短編映画を、松竹株式会社が主催している【#リモート映画祭】にノミネートしたところを、110作品のノミネート作品の中から、イチ押し7作品の1作に選出された。 宣伝企画室・大高直人 推薦コメント 「緊急事態宣言の下で過ごした非日常は、いつか日常になってしまうかもしれない。誰かと一緒にご飯を食べたり、外へ出掛けたり。たった3分のこの作品に当たり前の日々が失われる可能性を重ねずにはいられませんでした。声を上手く用いた仕掛けにも注目です。」 ごく控えめ

コロナ禍後の仕事第一波

6月最後の2週間は、コロナ禍後の第一波であった。延期や停滞していたもの、もともとこの時期だった仕事が折り重なり、有難いことに目が回るような日々が続いた。5話仕立てのweb映像の仕上げ。企画プレゼン2件。そして昨日今日とスタジオ撮影。撮影案件は感染予防の為に、これまでの撮影よりも仕事量が倍増。感染予防計画を各方面に提出する必要があるし、スタッフとも自ずと事前の打ち合わせは増える。これからの撮影仕事は、これまでと比べ物にならないくらい綿密な計画を立てなくてはいけない。それによって

2020/06/20(SAT)

朝から息子は近所の友だちの誕生日会に出かけていく。突然のことでロクなプレゼントも用意していなかったためどうしようかと迷った挙句、知り合いのカメラマンから購入した花のポストカードにメッセージを書かせて持たせる。 #StillLifeFlowerProject コロナ禍でお花は売れなくなり、在庫過多によって大量の生花が廃棄処分されました。そんな花たちの悲しい運命を伝えたいと、知人のカメラマンが始めたプロジェクト。 僕は奥さんに毎年花を贈るし、頻繁ではないけれどお花に触れる機

2020/06/17(WED)〜19(FRI)

06/17(WED) 先月末撮影を終えたコマ撮りアニメーションの仮編集試写日。 久々に会社へ。午前中は社内のリモート会議に出席。今年から変わった新社長は『ザ・ボス』というタイプの人物で、僕は好きなのである。親分肌だが、名古屋支社の一社員の僕の声にも耳を傾けてくれる柔軟さも持ち、昨年末、「親会社の映画事業部に出向したい」と話しに行った際にも、実現には至ってないものの真摯に僕に向き合ってくれた。そんな親分は、会社の業績を懸念しているであろうが、数字の話は一切出さず、ある社員の感