7月の彼是

某日。妻の祖母が亡くなり、妻は朝早くから葬儀に出かける。新型コロナウィルス感染者は愛知県でも7日連続50人を超えていることを考慮し、息子と僕は参列を控えることになった。享年89歳。結婚した当初から妻や義理母たちも祖母と疎遠になっていたこともあり、一度もお会いすることが出来なかった。ご冥福をお祈り致します。この日僕自身は体調が芳しくなく、朝から続いた頭痛が正午頃ピークを迎える。検温すると37.0度。平熱が高い僕には平熱の体温。ただただ頭が痛い。座っていることも出来ず午後からベッドに横たわりながら、かかってくる電話に応対するのが精一杯。なんだこの頭痛は。薬箱に鎮痛剤がないか探すも見つからず。帰りに買って来ておくれと妻に頼むも、家にあったはずだと妻、買って来ず。そして探すも鎮痛剤は見つからず、隣の祖父母の家から貰う。この日、息子は14時前に学校から帰って来たのだが、横殴りの雨にやられて水浸し。自分で風呂に湯を溜め体を温めて素っ裸でゲームを始めるのであった。勉強も遊びも息子本人の意思を尊重しているが、ものを頼むとゲームをやってる時以外はなんでもやり方を覚えるようになり、小学2年生にして時々朝ご飯のスクランブルエッグも自分で作る(火を使うときは流石に近くで見てはいるが)息子は立派だなぁと親ながら感心する。

7月に入って書き始めたプロットが、一度最後まで書き終わった。数人の気の知れた友人に読んでもらう。登場人物に共感を持てない理由など良くないところをいくつか指摘してもらい、もう一度初めから登場人物の背景を掘り下げてみる。昨年知り合った同年代の脚本家にアドバイスを求めると、良い点と悪い点を的確に指摘してくれて、書く意欲を持たせてくれた。何をもって映画的なのか言い表すのは難しいが、彼は十分に可能性のあるプロットにはなっていると認めてくれた。もっと主人公に屈折した感情を持たせてはどうか。映画の種を植えるのは、難しいし、辛いし、面白い。この作業を商売に昇華させるには技術を会得しないといけない。延々と考えタバコの本数は増え…と、だから頭痛も酷くなるのだ。どうして体を害してまでこんなことをしてしまうのか。生きるだけなら不要な作業をやめられないのは、人間の不思議な欲望だ。ご飯を食べて、良く眠り、良く遊ぶ。この反芻をすれば良いのだけど、それだけで満たされないようにできている。

某日。朝からマンションの外壁工事に伴う住民たちの話し合いに参加する。世間では1日の新型コロナウイルス感染者が1500人を超えている。うちのマンションの住民は年齢層が高く、50代以上の人たちが多く見受けられるが、こんな時期に顔を突き合わせてロビーで話し合いを行う無神経さと、外壁の色候補を絞るだけで1時間もかかる手際の悪さ。モヤモヤした気持ちのやりどころもない。今週末は「MU404」「半沢直樹」の録画をまとめ観て、「七つの会議」「おじいちゃん、死んじゃったって。」を初観賞、「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」「ユリイカ」を再鑑賞。プロット再考に煮詰まってヒントを探す。もう何回も観ている「ユリイカ」ではあるが、いつ観てもじっと観ていられる。いろんな発見と勉強がある。どうでも良いが土木会社にハイエースで帰ってくる全景カットでずっとガンマイクがバレているのに初めて気がついた。

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