営業の美学(1)三方良し
昨年の9月から投稿を開始しましたが、比較的営業に関する記事への反応が高そうだなと感じており、営業力に特化した投稿をスタートします。
ルート/開拓/新規マーケット、大手/ベンチャー、有形/サービス/無形、BtoB/BtoC。
私は、あらゆる環境で営業経験を積んできました。
そこでの気づきは、どんな環境であっても、成功の共通点があるということです。
あらゆるジャンルにも通用する営業の手引き=営業の美学として、投稿していきます。参考になれば幸いです。
※40回くらいを想定していますが、評判悪かったら途中でやめます笑
第1回 三方良し
三方良しとは、売り手(自分)・買い手(取引先)に加えて、世間(社会)の貢献にもつながることが良い商売であるとする考えのことです。
江戸中期の近江商人の経営哲学として有名ですが、現代社会の営業活動においても、単なる「綺麗ごと」なのではなく、永続的に売上を拡大していくという観点で非常に重要な意味を持つものです。
現代における消費者の購買行動モデルとして、2005年に電通が提唱した「AISAS」があります。
AISASとは、購買のプロセスをAttention(注意)・Interest(興味)・Search(検索)・Action(行動)・Share(共有)と分類し、その頭文字を組み合わせたものですが、これは対消費者に限らず、確実にBtoBビジネスでも当てはまるようになってきています。
三方良しとの関連性で言うと、買い手や世間の評判がShareされ、それが別の買い手にSearchされるということにあります。
既存の顧客はもちろんのことながら、新しい顧客を探しても、事前のSearchされ、その印象が悪いと、営業活動も分が悪くなります。
つまり、売ることばかりに終始し、買い手や世間の満足度を軽視してしまうと、巡り巡って営業活動を困難にしていくのです。
私たちが思っている以上に、情報は早く広く拡散していくことを肝に銘じましょう。
三方良しの重要性は、ここまでのお話でご理解頂けたかと思いますが、実際に難しいのは、「世間・社会への貢献」って何?ってことです。
近年は、社会貢献というと、SDGsという言葉が随分と広まり、企業においてもその取り組みが広まっていますが、「SDGsの観点からも社会に貢献する」ということを、取引先に主張してはいけません。いけないというか、あまり意味がありません。
では、どのように考えると良いのか?
BtoBの場合は、取引先のミッションやビジョンと照らし合わせて、社会貢献の重なりを見つけてみましょう。
ミッションやビジョンは、社会における役割や目指す立ち位置を示すものですから、社会貢献との整合性が必ずあると言って良いでしょう。
そして、取引先のミッションやビジョンは、自分たちが向かう方向性ですから、それを否定することも出来ないですし、むしろそこに同調することは、歓迎されることですし、営業活動の後押しにもなります。
ちなみに、BtoCにおいては、そもそもが社会課題をベースに設計されたものが多いので、プロダクトやサービスの背景で説明することが可能です。また、SDGs的な観点でも違和感がないことが多いです。
SNSを中心に、一個人の声が影響力を持つ時代。
三方良しの実現をゴールに据えることが、営業にとって必要不可欠と言えるでしょう。