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【読書記録】『富嶽百景(青空文庫・Kindle版)』

▼面白かった。▼昭和14年の作品だが、生き生きした表現とユーモアが全然古くない。読み終えるのが寂しくなるような楽しい内容だった。▼太宰はエッセイが本当に面白い。そのユーモアと悪戯心は「美少女」にも滲み出ていた。▼記念写真を頼まれて、その人を写さず富士山だけを写した場面で爆笑。「私は、ふたりの姿をレンズから追放して、ただ富士山だけを、レンズ一ぱいにキャッチして、富士山、さやうなら、お世話になりました。パチリ。 「はい、うつりました。」」▼今も残る作品の舞台「天下茶屋」には、いつか訪れてみたいと思う。


【二回目の読後感想】
▼二度目の読了。やっぱり面白い。▼昭和14年の作品ながら文体やユーモアのセンスに全く古さが感じられない。▼太宰の悪戯心が随所に出ていて、「可愛さ」を感じる。そして、同時に太宰が抱える「寂しさ」をも所々に見てしまうのである。この作品の深い味がそんなところから出ているのだと思う。▼太宰の自虐的な笑いが込められた作品だけを網羅した、作品集を期待したいなあ。

『富嶽百景(青空文庫・Kindle版)』
太宰 治

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