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不完全なことば

このことを書くべきか僕は悩んでいた。何度か書こうとしたが、書くたびに本当に伝えたいことと、かけ離れる気がして何度も消した。

それでも、ふとすると僕の中の僕が、書かなければならないというふうに語りかけてきた。

きっとそれは、ここで彼について語りはじめた責任があるからだと思う。

だから、たとえ不完全でも僕はここに残すことにする。

先に言いたいことを伝えると、僕は、組織とか、役職とかへの信頼感をこのことで失った。

そして、もう一方の側面では、後輩を成長させることとか、周りから信頼されることとか、それらについても、僕の中では幻想でしかないと思うようになった。

なぜなら、彼は退職させたほうがいい、と言われていたある後輩を救いあげることを選択した。結果でいうと、後輩は年間1位の成績を上げた。そして彼は降格し、やがて重要な仕事から遠ざけられた。

僕を含め、誰が組織を率いるに相応しい人間かというと、彼だということは大方の人達は感じていたはずだ。

僕たちは影では彼が素晴らしいと思いながらも、ただ成り行きを見守るしか出来なかった。

なんでこんなことが起こってしまったのか、僕は考え続けた。彼とこのことについて話したこともある。

でも、納得いく答えに辿り付くことはなかった。

いくつかの都市ではコロナによる待機くら経済活動が再開された。

このnoteで彼について書くことで、整理できるかもしれないと思った。でももしかすると僕は救いを求めていたのかもしれない。

何が変わったかというと、今の僕にはわからない。ただ、ここに幾つかの彼の断片を記したことで、彼はここでも生き続けている気がする。



よろしくお願いします!