創作童話 僕と龍の物語 #2プレアデス
プレアデスの学校
「パメラ、パメラ、もうパメラったらー」突然大きな声がして私は肉体に意識を戻した。
「えっ、なんか言った?」
「さっきから呼んでるのに、またどこかに行ってたんでしょう」あきれた顔してモエが言った。
「ああ、ごめんなさーい。で、なんだっけ?」
今、私は体外離脱して地球の女の子とテレパシーでおしゃべりしていたから頭が混乱している。
「だからさ、パメラはどんな設定にするか聞いてるのよ」
ああ、そうだった。地球で遊ぼプロジェクトの計画をグループのみんなと話し合っていたんだ。
私はプレアデスのこども学校の高学年、歴史の授業で自分が行きたいパラレルワールドを体験するプロジェクトで、私たちのグループは地球に行くことにした。
「うーん、モエとアサナは親子になるんだったよね。」
「そうよ。アサナはヨガとかヒーリングを教えるの」
モエがアサナの設定を嬉しそうに話す。
「それにしてもモエは障害者って設定、思い切ったね!」
私はモエの勇気に感心したが心配でもあった。
「大丈夫、アサナがお母さんなんだから、まったく心配ないよ」
明るく笑うモエに私は安心した。だってアサナは本当に強く優しい子だから。
「で、パメラは決めた?」
アサナが私に早く決めろと言わんばかりに言った。
「うん、決めたよ。私が一番先に生まれていっぱい体験しておくよ」
「設定は?」
とモエが聞く。
「私も障害者になる!」
「えー!?」
と、アサナとモエが同時に声を出した。
「だってさ、地球って制限だらけの星じゃない、その中で制限超えて行ったら、面白くない?色んなことに挑戦する人生。何才になっても」
「それ面白いかもね」
とアサナが笑った。きっと私を助けるつもりだ。だってアサナはいつも知らん顔して助けてくれるから。
そうして他のメンバーたちもどうやって出会ってどんな関係でと、それぞれのストーリーを決めた。
さて、このプロジェクトがどのようにして行われるのか説明して置こう。
広い部屋にそれぞれのグループが輪になって寝転ぶ、みんなは手を繋いでいる。部屋の明かりが消えて静まった時、特殊な周波数の音楽が流れて先生の誘導瞑想が始まる。
私たちは催眠状態に入る。そして各自が設定した夢の世界に生まれて行く。
一度夢の中に入ったら、すべての記憶が消されて、その夢が実在しているものとして体験が始まる。私たちは地球人として生まれて来るところから始まるのだ。
夢だということもすっかり忘れてそれぞれが設定した人生を生きる。地球では時間のスピードが遅いので、夢から覚める時間は長くても100年位に体感されるが、実際はこのプレアデスでは数時間に過ぎない。
こうして私たちは地球を体験してプレアデスで目覚める。
地球の夢はそんなに楽しいものではない。辛いこと悲しいことの方が多いように感じる。つまり感情を体験する為なのだから、その体験をどう乗り越えるかってバーチャルゲームみたいなものだ。
そろそろ、この物語を読んでいる君も、もう気づいたかもしれない。この世界が夢だってことを。
そしてすべてのパラレルワールドはもう終わっているということに。
イルカの僕もアボリジニの僕もプレアデスの私もシャボン玉の1つひとつの泡みたいな世界が今この瞬間同時にあるってこと。
おっと、「僕と龍の物語」ってタイトル忘れていた。プレアデスではカイジは私たちの先生になっていた。青い星から来た癒しの教師だ。
感情を体験することで私たちがお互いを想いあって、心は一つであることを思い出すということを教えてくれている。
さて、次はどこのパラレルワールドに行こうかな?
おしまい
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