DSC_2653ヘアサロン

消費者の目 -ヘアカット専門店の行く末-(コラム)

商店街をウオーキングしていると、お店の中の店員と目が合うようになった。
とりわけ、あるヘアカット専門店の前を通ると、お店の中の店主とよく目が合う。これまで忙しくしていた店主は最近、椅子に座ってウインドウの外を眺めことが多くなったようだ。
以前、私はこのお店に2回ほどお世話になり、そのときは待合椅子に3人くらいの先客がいた。この店は常に客待ちがいる人気店だった。

しかし、昨年10月に消費税が増税され、様相が一変する。
〇〇ハウスというヘアカット専門のチェーン店では1,000円から1,200円に値上げした。
目が合うようになったヘアカット専門店では、これまで1,000円だったカット代がこれを機に1,500円に値上げした。
便乗値上げ感は否めない。
外税なら消費税が増税されるだけなので、サービス料金は基本的に据え置きだ。内税でも1,000円(本体926円)が1,019円になるだけだ。まあ、1,020円や1,050円に値上げするなら納得だ。百歩譲って1,100円や1,200円くらいまでなら仕方ないと思える。
1,200円に値上げしたチェーン店も、コスト増を理由にしていた。
ひるがえって、目が合うようになったヘアカット専門店は、カット代が1,500円になった。
ハサミやクシを含めて備品などもそれぞれ消費税増税分のコスト増になるが、同程度、客からも増税分多く取るので1,020円くらいなら基本的にイーブンだ。
それゆえ、このお店には1,500円に値上げした理由、つまり単純に480円分のサービス向上はこれこれこうですと表示があってしかるべきだと思うし、他店との違いを打ち出す必要性があると思う。
それがないなら、便乗値上げと言われても仕方あるまい。

近所にはこのお店以外にもヘアカット専門店がたくさんある。
数えてみると10分以内に先のチェーン店も含め7店舗もあった。
そのほとんどが、1,100円、1,200円のほか1,000円据え置きや中には逆に980円に値下げした店舗もあった。
犬も歩けばコンビニに当たる、と言われるほどコンビニは多いが、ヘアカット専門店は美容室やヘアサロンも合わせると、もはやコンビニより多いのかもしれない。
群雄割拠のヘアサロン関連は淘汰される時代に入ったようだ。

あのお店の前を通る。きょうは店主が頭を傾げながらお客さんのヘアをカットしていた。
店主と目が合ううちにこのお店でもう一度カットしてもらおうかな。
だれも座っていない待合椅子が5つ整然と並んでいた。

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