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2021/12/7(火)第3回公園研

 もう先月の話だけれども、公園研の記録を残す。参加者による文献報告のみをおこなった。

・対象書:問芝志保,2020,『先祖祭祀と墓制の近代――創られた国民的習俗』春風社.

整然と区画された墓地に家族の墓を所有し、遺骨を納め、折にふれて墓参りに行く―この日本の「伝統的」な習俗は、いつ生まれ、どのようにつくりかえられ、普及してきたのか?
先祖祭祀が国家的アイデンティティと結びつくのと並行して、近世的な墓と墓地が文明化・西洋化を辿った明治~大正。そうした新しい先祖祭祀と墓制がマスメディアを通じて人々に受容され、ナショナリズムとも接合していった昭和戦前期。宗教社会学の立場から、その変遷の諸相に迫る。

出典:春風社の書籍紹介ページより

 近代における墓参り、先祖祭祀や墓制が、固有信仰や家・同族、そして天皇制イデオロギーにおいて捉えられるものではない、という話か。

 国民道徳論の言説に関する検討、近代的な都市霊園の整備に関する制度や歴史の検討(特に都市中間層の存在)、ナショナリズム・先祖祭祀・墓が一体となる言説の検討がおこなわれているようだ。

 『墓参りの誕生』のようなかたちで新書化することを期待……。

 個人的には、都市霊園の歴史に関する、上からでも下からでもない、造園家や技術者(中間?)の果たした役割が気になる。また、実際に墓参りする側にとっても、「墓参りしなきゃ……」「墓参りして当然」のような(謎の?)感覚の端緒が垣間見えるような気がした。(ちなみに、自分はしばらく墓参りに行けてなく、なんとなく申し訳ない気持ちでいる。)

 なお、今回は情けないことに、通読して参加することができなかった……。

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