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我が心のブルース・スプリングスティーン

 ブルース・スプリングスティーンを聴くと、僕は中学・高校時代を思い出し、胸が切ないような、温かいような、何とも言えない気持ちになる。

 僕の中学・高校時代はロックとともにあった。ブルース・スプリングスティーンに出会ったのは中学2年生の頃。「Born In The USA」が売れまくっている頃だった。80年代、テレビではマイケル富岡がMCのMTVや、小林かつやのロック・ヒット・USAなど、洋楽番組がいっぱいあった。それらの番組で毎週、「Born In The USA」のあの印象的なキーボードのイントロとボス(彼はそう呼ばれている)の熱い歌声を聴いていた。

 尾崎豊やJON BON JOVIが好きなアーティストとして、ボスの名前を挙げていた。

 高校に入るとバンド仲間と出会って、バンド練習に明け暮れた。中でもベースのY君は洋楽に詳しく、いろんなことを教えてくれた。

 「ブルース・スプリングスティーンやったら、「Born To Run」とか「The River」とか聴いたか?最高やで!」

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 僕はそれまで、「Born In The USA」しか聴いたことがなかったので、Y君にCDを借りて聴いてみた。まず「Born To Run」一曲目の「Thunder Road」にやられた。「なんや、このカッコよさは?」

 タイトル曲の「Born To Run」の疾走感に体が熱くなった。

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 ブルース・スプリングスティーンの良さは、哀愁を帯びたしゃがれ声で時に熱く、時に切なく歌い上げるその歌声。もちろん、楽曲の良さ。そして、Eストリート・バンドの存在がある。

 Eストリート・バンドは、ボスがアマチュア時代に結成したバンドが母体となっていて、レコーディングやライブでは常に彼らとともに演奏してきた。映像で見るととても仲がよさそうに見え、それこそハイスクール・バンドがそのままプロになったような感じがした。

 中でも、スティーブ・ヴァン・ザンドの枯れた味わいのあるギターとたたずまい、クラレンス・クレモンズのパワフルなサックスが好きだった。

 映像といえば、初めてみた動くブルースは、中学生の頃に観た「Born In The USA」のPVだった。そこでのボスはまさに80年代という感じでキラキラと洗練された印象があった。

 でも、高校生になったある日、テレビで「Born To Run」の頃のライブを観た。70年代のボスは、ひげを生やして、ヨレヨレのジーンズを履き、髪の毛はぼさぼさ。汚かった。

 でも、その汚い姿が、僕には何とも言えずロックに見えた。カッコよかった。僕もこんな風になりたいと思った。

 70歳を迎えた今でも、バリバリの現役でアルバムを出し続け、ステージに立ち続けるブルース・スプリングスティーンは、アメリカの心とも言えるミュージシャンである。歌詞もすごく味わい深い。ノーベル文学賞を取ったボブ・ディランにも負けていないと思う。

 辛いこと、悲しいことがあったときはもちろん、酔っぱらってテンションが上がっているときにも聴きたくなるミュージシャンである。

 我が心のブルース・スプリングスティーン。

 ほんまにかっこええなあ。

 お勧めです。


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