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アーリー期のフードテックベンチャーが海外VCから資金調達をした話

こんにちは!植物性卵を開発・販売するUMAMI UNITED 代表の山﨑です。

先日PR TIMESで発表させて頂きました「海外投資家からの資金調達」に関して、リリースでは書ききれなかった裏話をNoteで発信できればと考えております。

今回は少しテーマを絞らせて頂きますので、お役に立てる範囲も限られているかもしれません。予めご了承ください。ただ、以下のいずれかに該当する方でしたら、何かのヒントになるかもしれませんので、是非とも読み進めて頂ければ幸いです。

  • 初回の資金調達を控えている

  • 出資込みのアクセラレーターへの参加を予定(検討)している

  • 海外での資金調達を予定している

今回の資金調達の概要

初回ラウンド(Pre Seed)として海外投資家(VC, Angel)から総額約50万USDの資金調達を行いました。Big Idea VenturesやProVeg International等、フードテック界隈では著名なVC・アクセラレーターから出資を頂くことができ、一つの自信にも繋がりましたが、どんなことにも良し悪しは存在します。続けて、今回の調達で「良かったこと」「大変だったこと」を纏めていきます。

良かったこと① 勝手にバリュエーションが付いた

今回の資金調達はBig Idea Venturesというアクセラレーターに参加したことから始まりました。出資込みのサポートプログラムということもあり、参加時点で「あなたたちの企業価値は●●● USDで●●●USD出資するので、エクイティの放出は●●%」というのが自動で決まります。この前ある日本の起業家の方と話をしていた限りでは企業価値の基準は海外故か、当時のステージに対しては、かなり高い基準で評価を頂くことができましたので、この点はシンプルに良かったです。

良かったこと② フードテックベンチャーの成長エコシステムに参加できた

①にも関係することですが、海外のVC・アクセラレーターがステークホルダーになることで、優良な投資パートナー、事業パートナー、先輩起業家を紹介いただくことができました。フードテック(特に弊社が取り組むプラントベース、代替食品)産業においては、欧米、シンガポールが日本の5年、10年先を行っており、「成長エコシステム」が形成されていますので、創業期からそちらにアクセスできているという意味では、非常に恵まれています。

右上にしれっといます

良かった点③ 円安ドル高効果

「外貨で調達をして、日本円で事業運用」というスキームは、「円安ドル高時代」の調達手法として、結果良かったのではないかと感じています。極端な例ですが、同じ50万ドルを調達しても1ドル100円の時(=5,000万円)と150円の時(=7,500万円)ではかなりの差が生じます。ただ③に関しては「時世によって左右されるテーマであるという点」と「(私は)為替相場や金融のプロではないという点」を踏まえ、あくまで一体験談程度に留めて頂ければ幸いです。

大変だったこと① 投資スキーム、契約条項の理解

今回はSAFE(Simple Agreement for Future Equity(将来株式の簡易な同意書)の略)というY Combinatorが考案したスキームを利用して資金調達を行いました。詳しくはこちらの記事をご覧いただければと思いますが、「アーリー期に0から契約書の作成や企業価値の算定をやっていると時間もお金ももったいないので、世界共通のフォーマットや大枠の企業価値だけ決めて、とっとと契約締結しちゃいましょう」とするために考案されたスキームです。今でこそ輪郭が掴めてきましたが、最初英語でSAFEの契約書を渡せれた時は、「え?SAFE?安全な何かですか?」となってしまうぐらいトンチンカンな状態だったので理解、判断に苦労しました。

以下、ご参考まで最終ジャッジをするまでにやったことです。

  1. ランサーズで契約書の和訳を依頼(これでも理解度は20%ぐらい...)

  2. Google, YouTubeでSAFEの勉強(これでやっと理解度50%到達)

  3. 実際に自社のケース(CAP TABLE)に落とし込む(これで理解度65%)

  4. あとはそれをベースに税理士、弁護士の先生に理解確認(これで理解度90%)

理解度100%とまではいきませんでしたが、腹落ちして判断できるまでにはなれましたので、結果GOすることに致しました。(アーリーから参画いただいているエンジェル投資家の方から「悩んで出した答えは全て正解、あとはやるだけ」と背中を押していただいたのを思い出します)

大変だったこと② アクセラ特有のIn Kindサービス

「良かったこと①」で『参加時点で「あなたたちの企業価値は●●● USDで●●●USD出資するので、エクイティの放出は●●%」というのが自動で決まります。』という話をしましたが、少しトリッキーな仕掛けになっています。「特に●●●USD出資するので」の部分。これだけ読むと「現金全部頂けるんですか!ありがとうございます!」とも読めるのですが、よくあるパターンとして、例えばですが、10万ドルを出資しますが、キャピタルは7.5万ドルで、2.5万ドルはサービスとして提供します、といったスキームがよく存在します。サービスというのはアクセラプログラムの参加、メンタリング、ネットワークの紹介等、無形なサービスが基本的です。ここは「良かったこと②の成長エコシステムへの参加」と表裏一体なのですが、自分が欲しいサポートと相手が提供できるサービスを天秤にかけた時に、価値があると感じた時に参加する方が得策です。(といってもアクセラへの参加検討フェーズの場合、判断基準も限られているため、アクセラの質を判断するのも至難の技です...ここは人伝にでも当該アクセラに参加していた企業、先輩起業家を捕まえて直接ヒアリングをするのが一番手っ取り早い手段かもしれません)

今後の予定 急上昇する代替卵ニーズを爆速で掴みにいく!

こちらの記事でも紹介しましたが、昨今の鳥インフルエンザの影響もあり、世界的に卵の価格高騰や供給不足が深刻化しています。現在、その代替案として植物性卵、代替卵にも注目が集まっており、「ここでアクセルを踏まないでいつ踏むの?」という状況のため、日本国内はもちろん、米国市場の進出も進めていきます。拡大するニーズに対して社内体制の強化も行っており、絶賛未来を創る仲間を募集でございます。詳しくは以下Wantedlyをご覧くださいませ!NoteもWeeklyで更新しておりますので、フォローお願いします!

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