読書メモ #3起業の天才

リクルートを創業した江副浩正の生涯をまとめた本です。

読む前のリクルートのイメージは、リクナビとか求人系をメインに今は情報メディア系を幅広くやっている会社、営業力がすごくある会社というくらいのイメージでした。

過去にリクルート事件があったことはもちろん知っていはいましたが、具体的な内容までは知りませんでした。政治家やNTTの社長なども収賄で逮捕された事件ですが、未公開株を上場前に配っていたこと自体は当時普通に行われていたことだったそうですが、マスコミ(朝日新聞)が取り上げて、世論がリクルートを許さなかったということで検察が起訴することにつながっていったというものでした。

創業時のリクルートは当時まだなかった紙媒体で求人誌を創刊して、情報を販売し始めた先駆けの会社で、出版から不動産などにも進出しましたが、20数年前にデータセンター事業を立ち上げていたことを知り驚きました。

おそらく当時日本で最も力のあった企業であるNTTの社長がリクルート事件で起訴されたことで、その後のNTTの方向性にも影響がでてしまい、海外よりも早く生まれていたデータセンター事業がつぶされてしまった。

当時のリクルートはアマゾンの創業者のジェフ・ペゾフのいたファイテル社とも関与があったり、iモードを作ったのもリクルート出身の松永真理であったり(iモードがうまくいかなかったのは当時のNTTの体制の問題が大きい)、もしリクルート事件がなければリクルートが現在のGAFAに近いような会社になっていた可能性もあったという点は読んでいても納得できるものがありました。

岩手の安比の開発もリクルートがやっていて、リクルート事件がなければ1998年の冬季オリンピックも岩手県で行われていたかもしれないという部分などいろいろな面で大きな影響があった事件だったと知りました。

当時小学生だった私には事件の名前くらいしか残っていませんでしたが、リクルート事件に関与していた政治家はそうそうたる顔ぶれで、大きなニュースになったことがわかります。その後知る機会がなかったのは勉強不足でしかないですが・・・

500ページ弱ありますが、あっという間に読み切れてしまいます。ぜひ最初の序章20ページだけでも読んでみてください。

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