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Travelogue - 旅はいつも大事なことを教えてくれる

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2022年11月にイタリアに行って感じたことを書いています。後から振り返れば「人生リセットの旅」になりました。2023年10月にアメリカに行ったことも少し。
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#フランクフルト

【イタリア・ドイツ旅日記11】旅で出会った言葉「人生は一度きり」

2022年イタリアに旅して(最後にドイツに寄って)思ったことあれこれ 〈第11回〉  フランクフルトの市場「クラインマルクトハレ」の一角にお寿司屋さんがあった。お寿司屋さんでありながら、包丁、日本茶を売っていて、包丁研ぎも? シルバーヘアの店の主人は60代と思われる日本人。精悍という言葉がまさにぴったりの風貌。堂々とした雰囲気は、この地に根を下ろし、自信を持って生活している人のものだった。  午後遅い時間でお客さんも一組しかいなかったので、思い切って声をかけてみた。「この

【イタリア・ドイツ旅日記10】30年もたてばドイツも変わる、人も変わる

2022年イタリアに旅して(最後にドイツに寄って)思ったことあれこれ 〈第10回〉  30年くらい前、フランクフルトに住んでいた。そのころに知り合った日本人で、そのまた30年くらい前、子どものころにドイツにいて、再び仕事で赴任してきた人がいた。その人が「この国が変わらないことにはびっくりする。30年前と同じ商品が同じ棚に並んでいる」と笑っていた。   ドイツ人のそんな頑固さはよく知られているし、それは良い形で機能することが多い。だから、私も今回、やっぱりドイツだ、30年た

【イタリア・ドイツ旅日記09】フランクフルトで30年ぶりに恩人と再会する

2022年イタリアに旅して(最後にドイツに寄って)思ったことあれこれ 〈第9回〉  約30年ぶりに会うバウアーさんは、それなりに歳はとっていたけれど(今回あらためて尋ねると76歳)印象は変わらなかった。ただ、股関節の骨が擦れる症状をずっと抱えていて、それがまたひどくなってきたので、近いうちに5回目の手術をするとのことだった。  薬はのんでいるが、時々強く痛むらしく、家の中でもそろそろと歩く。外出はタクシーを使うしかない。食料品などの日常の買い物もままならないので、週に1度

【イタリア・ドイツ旅日記08】ドイツに寄る。会いたい人には、会える時に会いにいこう

2022年イタリアに旅して(最後にドイツに寄って)思ったことあれこれ 〈第8回〉  旅の終わりにドイツ、フランクフルトに寄った。かつて住んでいたことがある。それからもう30年近くが過ぎている。  目的の一つは、かつてお世話になった人に会うことだった。バウアーさんというその人は市民講座で知り合った。日本に興味を持っていたことから、声をかけてくれた。住んでいる場所が近いこともわかり、それ以来、日本語とドイツ語を教え合ったり、一緒に料理をしたりした。年齢としては私より20歳くら