映画感想文「天気の子」新海誠監督
「天気の子」新海誠監督について
2019年7月公開。
キャッチコピーは「これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語」。
2020年が特別だったせいか、2019年が遠い遠い昔に思える。
大ヒットした「君の名は。」(2016年)に次ぐ作品ということで注目を浴び、興行収入も前作を上まわった名作。
東京に家出してきた少年と、天気をあやつり晴れを呼び込む不思議な能力を持つ少女との物語。
この映画を観た理由
劇場では観逃した。
「君の名は。」公開時は香港におり、香港でも何度か観ておもしろかったためこの新作も気にはしていた。
が、流行りを追いかけてる感があってかっこ悪いかななんて躊躇してるうちに劇場公開終了したようなの記憶がある。
ので、テレビ朝日系列での地上波初放送にて視聴。
ココに刺さった
田舎町を舞台にした「君の名は」とは一転、リアルな東京が描かれてることに不思議と惹かれた。
田舎者が上京し、目にする「東京」って痛いくらい眩しく、そして目の前を行き交う多くの人間の数に反比例するように、自分の孤独感は増幅する。
そういった「東京」を自然にかつ生々しく描き出されていた。
だから物語の冒頭部分は、自分が上京したときにも味わった「東京」を感じることができたような気がする。
あと、序盤で「キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)」の単行本がちらほら映り込む。
何か伏線はあるのかなと思いながら観ていたが、「16歳の家出少年」という共通項くらいしか見つけられなかった。
他に何か見つけられた人がいたら教えて下さい。
この映画を観終えた後
毎日当たり前のように存在する「天気」にここまで奥行きのある世界を描き出したのはさすがだなと思った。
雨が悪で、晴れが正義というわけではないが、「晴れ」の持つポジティブなパワーってものは計り知れない。
一方で、ありふれた表現ではあるが、雨があるからこそ、晴れが際立ち、ときにドラマチックにも感じる。
一年中晴れてる地域だと、この物語の良さは充分に伝わらないのかな思った。
雨の日があって、晴れがある。
四季もあって、それぞれの雨と晴れも違う。
そんな日本だからこそ、描くことのできた物語だし、日本人だからこそ感じられる自然への畏怖の念を再認識できた。
そう考えると、金沢は降水日が日本一多いこともで有名で、今のような冬にはほぼほぼ毎日雲が空を覆っており、空が見えることは少ない。
だからこそ冬の晴れに心躍る。
やはり晴れの日は良い。
劇中、「人の気持ちは空に繋がっている」といったような表現があったような気がする。
今は世界中が曇り空になっているだろう。
でも、だからこそ、晴れを待ち焦がれ、祈り続ける気持ちが必要なのだ。
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