見出し画像

6月に読んだ本

ちょっと早いけど、今月はもう読めなさそうなので投稿します。


ベスト・エッセイ2018(日本文藝家協会編)

図書館で借りた本。加藤シゲアキさんのエッセイに思わず泣かされた。

金木犀とメテオラ(安壇 美緒)

本屋大賞ノミネート作の「ラブカは静かに弓を持つ」がとてもよかったので読んでみた。北海道にできた新設の中高一貫校の1期生の2人の話が中心。
表紙の印象からガール・ミーツ・ガールの青春小説かと思ったけど、全然違った。話は面白くてサクサク読めたけど、主人公含む登場人物の呼ばれ方が苗字だったり名前だったりしてちょっと混乱。
個人的な感想としては、最後の章に若干の希望が見えたものの、高校生ができることには限界があるので、救いのない話だと思った。スピンオフがあれば読んでみたい気もするけど。

クロエマ 1巻(海野 つなみ)

いや~めっちゃ面白い。占いがテーマの漫画。
この漫画を読もう!と思ったのは、ネットで途中まで読めて、続きが気になったから。わたし、占いが小さいころから好きで、昔、占いに身を預けすぎたことがあって。その姿勢が自分でも「健やかではないなぁ」と薄々感じていました。(占いの結果に自らあてはまりに行ったりとか…マジ黒歴史。)
けど、自分が感じたり考えたり体験したりしていることが、どんな占いの結果よりも説得力があるなということを明確に体感した日があって、その日を境に占いに対して「な~んだ」という気持ちを持つことができるようになった。これは自分の中では大きな発見で、その日以降占いとは距離をとることができるようになった。今でも雑誌の年間占いなんかは季節のイベントとして楽しんで読んだりはするし「占いなんて信じない」という人の健やかさに憧れたりはするけど、自分にとっては最適解の付き合い方なんじゃないかなと思っています。

書く習慣(いしかわ ゆき)

noteを始めてからよくお見かけする本だったので購入。
わたしは書くのが好きだけど、毎日続けるのは性格的にたぶん難しいだろうから、もう少し更新の頻度をあげれたらいいなぁと思う。

茄子の輝き(滝口 悠生)

ベストエッセイ2018に滝口さんのエッセイが掲載されていて、そこで名前を知ったので初読み。表紙のイメージから、食べ物エッセイだと勝手に思って図書館で借りたけど全然違いました。短編小説集。著者は芥川賞受賞作家とのこと。たしかにそんな雰囲気がある。

ハンチバック(市川 沙央)

文学界新人賞受賞作、かつ芥川賞ノミネート作。以前ぼんやりとスマホを眺めていたら、著者の市川沙央さんのインタビュー記事が流れてきて、著者の物書きしての矜持に惹かれたので単行本が出たら絶対に買おうと思っていた1冊。
個人的には性にまつわる表現が(この作者に限らず)苦手なところがあって読むのが苦しいと思う部分があるけれど、文章の熱量と、時折ハッとするような比喩や、突然ねじ込まれる鋭角のような指摘があって、わたしの目を覚ましてくれた。すごかった。

今月の読書とnoteを通じて思ったことを簡単に。

「好きな作家さんの文章だからってすべてを好きでいなくていい。合わないものがあってもいい。その人が書いたものだから!と礼賛するような読者にわたしは、なりたくない。」

「苦手だと思っていた作家も、時間を経て自分が熟成されると読めるときがある。その人が書いたものだから!とラベリングし続けて過ごすのは勿体ない。(かもしれない)」

「エッセイはどんな内容が書いてあるかではなく【誰が書いたのか】に左右されるコンテンツだということを改めて強く感じた。わたしはエッセイを読むのが好きだけど、誰が書いたのかより内容をもっと深堀りしたい。そしてエッセイは、他人や環境に言及したものよりも圧倒的に自分自分自分!の文章のほうが読んでいて面白い。」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?