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U Tunes Track 12:ビッグフット

10月も下旬に差し掛かり、一気に秋らしくなってきた。前回投稿時の10月頭は夏日が続き、先週は初冬のような寒さと、ジェットコースターのように天候が変わっていたが、3ヵ月予報によると11月までは徐々に秋が深まり、12月以降は例年より寒くなる見込みだと言う。
春と秋の時期が年々短くなっていると思うと、少し寂しい気もする。

在宅勤務が定着し外出機会が減ったことで、季節の移ろいを感じづらくなってきているが、ふとした瞬間に変化を実感するものである。
いちょう並木下の地面で潰れている銀杏の匂いや、自販機にホットコーヒーが登場したり、スーパーに焼き芋コーナーが出来ていたり、坂の上から見る富士山の頭が白くなった、といった具合に。

そして、秋と言えば紅葉。テレビなどの映像で色とりどりに染まった野山の錦を見るたびに、来年は現地に行きたいと思うものの、出不精な筆者はなかなか、足が進まないのであった。
さて、今回は山繋がりで、約55年ほど前の10月、山岳地帯で発見された超有名UMAの一角を担う「ビッグフット」をご紹介。

ビッグフット

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アメリカやカナダの山岳地帯で目撃されている獣人型未確認生物。身長は2~6m、体重は200~350kg。二足歩行し、歩幅は1~1.5m。足跡は大きなもので約47cm。筋骨隆々で、全身に褐色または灰色の毛が密生している。 顔には毛が生えておらず、鼻が低く、目が落ち窪んでいる。強烈な体臭を放つとされる。
「猿人やギガントピテクスの生き残り」などの説が挙げられているが、実在についてはアマチュア・学界問わず、長年の論争がある。アメリカでは広範囲にわたってビッグフットの足跡が報告されており、その石膏型は膨大な数に上っている。1967年10月20日、元カウボーイのロジャー・パターソンと友人のロバート・ギムリンの二人がカリフォルニア州・ブラフ・クリークでサスカッチの探索中に山中で遭遇し、「歩きながら、カメラに向かって振り向くビッグフット」の姿をカラーの8mmフィルムで撮影した。これが有名な「パターソン・ギムリン・フィルム」である。

Beck

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写真:Wikipedia

木々がうっそうとした山中で、ゴリラの2倍ほどあるとも言われる巨漢ビッグフットが、徐々に近づいてくる雰囲気を想像しながら、BGMにはアメリカを代表するシンガーソングライターBeckの6thアルバム「Guero」より「Hell Yes」をスピンしたい!
シンプルなリズムトラック、不穏な雰囲気のBassリフ、電子音やスクラッチのエフェクトが3分間リピートされる中、Beckの気怠いラップが合わさり、混沌と緊張感漂う奇作。

Beckと言えば、サンプリングを駆使しつつ、多種多様なジャンルの音楽を自己流に解釈し、他にはない独自のポップサウンドに昇華させる天才アーティスト。彼の作品はアルバムごとにテイストを変え、毎回リリースが楽しみである。(UKのPrimal Screamも、その傾向がある。)
グラミーも受賞し、多くのヒット曲を放つ彼の作品の中でも、個人的には、高校時代に初めて聴いたアルバム「Odelay」の「The New Pollution」が一番印象に残っている。当時、1990年代のUKロックやグランジといったメインストリームとは一線を画すサウンドで、教科書には載っていないロックというか、ジャンルレスな玉手箱の様な音楽に耳を奪われた。


秋の夜長は音楽と共に

一人でしっとりと過ごしたい夜に、聴きたい曲をご紹介。
まずは、湿度40%程度の爽やか系ロックから。

Les Innocents / Un monde parfait

フランスのポップロックバンドの傑作アルバム「Post Partum」の1曲目を飾る曲。UKロック伝統のポップさを受け継ぎつつ、一筋縄ではいかないフランス的なひねくれ感がいい味を出している。
高校時代、CDショップのタハラ藤沢店の視聴機で、一曲目を聴いてビビッときて即買いしたアルバム。ちなみに、バンド名はフランス語で、Les Innocents=レ・ジノサンと読む。
フランスのアーティストはAIR、タヒチ80、Phoenix、Daft Punkの他、ダンスミュージックレーベルのYellow Productionなど、個人的に結構好きなのが多い。機会があればフランス特集もやってみたい。

お次はフランス繋がりで、シャンソンのスタンダードナンバーであり、ジャズスタンダードとしてよく知られる秋の代名詞たる名曲を軽快なアレンジで。

Dudley Moore / Autumn Leaves

Edith Piaf、Nat King Cole といった世界的歌い手から、Miles Davis、Bill EvansなどのJazz Giantsまで多くのアーティストにカバーされるスタンダードナンバーを、タンバリンのリズムとキレがあり跳ねるピアノが印象的な、踊れるボッサジャズに。曲のテーマは同じでも、演者によりそれぞれ雰囲気が変わるので、聴き比べてみるのも面白い。

さて、ここからは心に染み入るソウルミュージックをより深く味わいたい。

The Delfonics / La-La Means I Love You

Jackson 5、Swing Out Sister、Alton Ellis、そして山下達郎など多くのアーティストにカバーされ続けている、1968年リリースのスイートソウルの最高峰の一曲。とにかくボーカル、コーラスのハーモニーが堪らなく美しく、寄り添うストリングスも最高。

Aaron Taylor / Icarus

アコースティックでドリーミーなサウンドが、優しく包んでくれる2020年リリースのネオソウルの佳曲。このアルバムの曲はどれも素晴らしく、シンプルなサウンドに彼の甘い歌声が際立つ仕上がり。今、注目のオランダのシンガーソングライターBENNY SINGSをFeatureした「SHOOTING STAR」もオススメ!

更にディープに・・・

Jose James / Love

Club Jazzシーンの最重要人物Gilles Petersonに見い出されデビューしたジャズシンガー。最近はR&B寄りの曲も増えてきたが、ここでは2007年の1stアルバムよりお届け。人力ドラムンベース、浮遊感を誘うフェンダーローズの響きに、甘くスモーキーなVocalが重なり、曲の持つ世界観に没入すること間違いなし。

最後は、ジャズ+ヒップホップで締め。

Sound Providers / 5 Minutes (feat. The Procussions)

最近では一般的となったJazzy Hiphopだが、その先駆者的存在のトラックメーカーユニットの名盤から。ヒップホップのトラックはR&B、ジャズのサンプリングをモロ使いの曲も多いが、このユニットはいい塩梅で使用しており、とにかくトラックが美しい。
ちなみに、ご存知の方も多いかと思うが、空耳アワーでグランプリを獲得した曲でもある。1:30くらいの歌詞にご注目!

「YEAH YEAH YEAH CHILL, HILL
WE’LL GET IT WE’LL GET IT MAN WE’LL GET IT」

「イヤイヤイヤ 違う違う 
分けれ分けれ 麺分けれ」


あとがき

今回はセンチメンタルな季節に、心温まる音楽を中心に選曲してみた。徐々に夜の時間が長くなっていくにつれ、時間の過ごし方も変わってくるだろう。
皆さんもたまには、秋の夜長に音楽をじっくり聴いてみるのも、良いのではないだろうか?

次回は冬が差し迫る11月下旬に配信予定。




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