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ふるさとを感じる

noteのお題企画と
音声配信アプリ「stand.fm」での
「#声ッセイ」に参加して書いたものです
テーマは「ふるさと 
音声でもお聴きいただけます

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お正月みんなは、帰省するの?

長いお休みの前になると
話題になるふるさとに帰る話

東京にお嫁に来た友達は
帰省する日を楽しそうに話す
実家に戻って
兄弟と会ったり
友達と会ったり
地元にあるお店に行ったり
埋まっていく予定で忙しそうだ

遠くてなかなか帰れないとか
今度はいつ帰って来るのか聞かれて困るとか

私からは発しない言葉

実はちょっぴり羨ましくなるフレーズ


私の母は、東北の出身だ
若い頃、東京に出て来た
デザインの勉強をして
洋服を作れる人になった
そして父と出会って結婚した

ふるさとに戻ることはせずに東京で私を産んだ

ふるさと」と言うと
生まれ育った街をイメージする
そこには懐かしい場所があって
親が住んでいて
古くからの友人がいる
そんなイメージだ

実家は私の家から歩いて5分
散歩の帰りに帰省できちゃうご近所さん
それはそれで嬉しいのだが
時々寂しいと思うこともある
帰省するという言葉を使う距離ではないから

母にはふるさとがあるが
私のふるさとは、ここ


結婚して帰省先が私にもできた
夫の実家は関西なのだ
私にも長い休みに帰省する
と言える場所ができたのだ

ただ自分の実家では無いので
知らない駅
知らない街
懐かしいと言える場所は、ひとつもない

夫と一緒に帰省すると
駅から乗り込んだタクシーの車窓から
街の変化を夫は毎回楽しんでいるようだ
運転手さんと
変わりましたねーと話すのがお決まり

さりげなく地元ですの話題を会話に入れ込む
そうすると運転手さんも
こっちの人ですか?となる

そして
地元の人なら知ってるような話題を話してくれる

夏休みに帰省した時も
どこどこの夏祭りは今日ですよとか
今日花火があがりますよとか
おかげで帰省中の楽しみが増える

ふるさとに帰って来るってこんな感じなのね
私はあたかも自分も帰省してきた身のように
夫の横でそっと聞き耳を立てながら
窓からの景色を見て
夫のふるさとを感じている

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