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絵本でつながる

朝起きたら、時々しかやりとりのない母からメールが届いていた。

“あなたに本をいただきました”

というタイトルで、はて?と思ったけれど、長くはないそのメールを何度か読み返して、母のお友達が、私にこちらの絵本を下さったということが理解できた。その本の写真が添付されていた。

一月の母の誕生日の少し前に、たまたまこちらの限定復刊のことを知り、なんだか惹かれるものがあり、母の誕生日に贈った。

母は幼い頃から本が大好きで、暗くなるのも気付かずに本を読んでいたそうだ。私と弟が生まれたことがキッカケになったのか、理由をはっきり聞いたことはないが、とにかく実家には普通の本に加えて絵本が所狭しと置いてある。

確かにいつも読み聞かせのようなものをしてもらっていた記憶はあるが、私たちが大きくなってからもその膨大なコレクションは増え続け、しかも殆ど全ての絵本に、著者あるいは絵を描かれた方のサインが入っていて、私と弟に一冊ずつあるのだ。

そのことをほとんど忘れていた。

私が送った本が届いたと連絡があった時、”急にどうしたの?同じ絵本がサイン入りで私と弟用にあるけど”と言われたので、お誕生日にと思って…となんだか申し訳ない気持ちだった。

その母が、ずっと長い間所属している図書館での集まりで、母のお友達が”魔法のことば”を持って来られてお話をされたそうだ。それで、母が誕生日のエピソードを披露したようだった。

母曰く、そのことに感動されたお友達が、”大切に育てられたと思っていらっしゃるのね”と仰り、私にこの本を下さったとのこと。

“カナダにいて、ネイティブアメリカンに関心があるのではないかしら”とも。

昔からずっと先住民の人達に関心を持っていた。国や地域に関係なく、彼らの自然と一体となった思想や暮らしにずっと憧れと尊敬を持っていた。

残念ながら現在の先住民にそれと全く同じものが残っているとは言いづらい。だから本や詩から遠い昔に思いを馳せるのが好きなのだ。

そんなこともその方は見抜いていらしたのだろうか。

会ったこともお名前も存じ上げない方から思わぬギフトを頂いた。そして、母が私の贈ったサインなしの本にも喜んでくれたのかなと思ったら、朝から涙がこぼれそうになった。

その方にどんな御礼をしようか、この二冊の絵本がおそらくお好きであること以外、何の情報もないので色々考え中である。

母の日のギフトもまだピンと来るものがなくて選べていない。

二つの贈り物を同時並行で考えている。



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