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(オリジナルストーリー)酒ファンタジー Ultimate ONE ~第十一話~【反社会勢力】

Ultimate ONE ~第十一話~【反社会勢力】
 
リサ達は駅へ向かう、子供が殺されたことでざわついていたが、街のガーディアン達も集まり辺りは立ち入り禁止となった。
 
リサ 「あのう…メタリカのガーディアン達には何も言わないで来てしまいましたが、良かったのでしょうか?」
 
レオン 「余計な真似はするもんじゃねぇ~。 この街の政府は知っているだろう、俺がやったってな。 おまえが余計なことをして変な噂が流れると不味い…今は反社会勢力がやったって事にしておきたいだろうよ」
 
バウンサー 「反社会勢力か…政府の誰かがその一味ということも考えられそうだな」
 
レオン 「だからこそ、俺の存在がバレるといけねぇ~んだ。俺が仕留める相手になるわけだしな」
 
バウンサー 「レオンにしか務まらん仕事か…」
 
リサ 「駅まで来ましたけど、私たちはお金を持たずに来てしまったのでトノトさんにもらったカードを使えばよいのかしら?」
 
レオン 「ああ、ここの街ならそのカードがあれば充分だ。駅員に見せてみな」
 
リサはカードを駅員に見せた。
駅員は軽くうなずく。
 
駅員 「これはトノト様のカードだが、使用許可申請は終わっているようですね。移動機関や宿泊施設はご自由にお使いください」
 
リサ 「すごい!このカードがあればお食事もできるでしょうか?」
 
駅員 「食事?ははははは!そのカードがあればこの街じゃ何でもできますよ! むしろこの街を買っていただきたいくらいです」
 
駅員 「はっ! すみません!失礼いたしました!」
 
リサ 「いえ。ありがとうございます!」
 
リサ 「このカード。すごいですね!だてにワンドを何個も注文している人ではないわね。ところで、レ…はっ」
 
リサ レオンさんの名前も言っちゃいけないですよね。駅員さんもいるし…
 
見えない何かに頭を撫でられるリサ
 
リサ 「じゃ~そろそろホームに行きましょうか!バウンサーさん!」
 
バウンサー 「どうせ俺は物にしか見られていないだろう。リサの私物だ」
 
リサ 「あ、そっかぁ~。通行許可は私だけでよかったんだ」
 
バウンサー 「まぁ、トノトのカードがあれば、オールスルーだけどな」
 
ホームでしばらく待ったあと、電車に乗るリサ達…
 
~反社会勢力のアジト~
ピッ…ピピピピッ
 
車椅子の男 「こ、これは珍しいですね…選挙を控えている大切な時に我々に何かご用でしょうか? クリスト様」
 
クリスト 「いや、これはあくまでも情報なのだが、東地区の駅でトノトのカードを使った人物がいたようだ」
 
スーツを着た男 「ほう、トノトのカードか…あれは本人の許可なしでは使えないワンドだ。我々には関係がないことだが、あの道楽者が何故この街に?」
 
車椅子の男 「彼は武器収集家と聞きます。アルテモンが目当てなのでは?」
 
 
スーツを着た男 「ヤツに買われては計画が台無しだな…今すぐにでもアルテモンを奪いに行きたいのだが」
 
車椅子の男 「く、クリスト様、アルテモンが保管されている場所は…知りませんでしょうか?」
 
クリスト 「すまんな。何分こちらも警戒されていてな。情報が入ってこない。では、私はこれで失礼するよ」
 
ピピ…
 
スーツを着た男 「…ちっ、使えんクソが」
 
車椅子の男 「彼の処分はいつでもできますよ。 それよりも、私たちの駒が暗殺されたこと、その広間にDQNの研究員がいた事、トノトのカードが使われたこと…つながっていませんかね?」
 
スーツを着た男 「なるほど…さすがにお前は知恵が働くな。 トノトはDQNにワンドの注文を何度かしていたようだ。 DQNとつるんでいてもおかしくはないな」
 
車椅子の男 「も、目的はワンドの開発かと…」
 
スーツを着た男 「しかも、この時期に…となると、奴らの狙いはやはりアルテモンであると考えられる」
 
車椅子の男 「であれば DQNの研究員かトノトの足取りをたどれば、アルテモンに辿り着く可能性は高いと思います」
 
スーツを着た男 「うむ、やるべきことは簡単だ…アルテモンのありかを見つけ次第、奴らを皆殺しにする!」
 
車椅子の男 「せっ!急いてはことを仕損じます! 今の僕たちがトノトやウエピナの DQN とやりあうことは得策ではありません!」
 
車椅子の男 「た、ただ…彼…トノトは筋の通らないことは起こさない主義と聞きます」
 
スーツを着た男 「それでは、どうすればよいのだ?」
 
車椅子の男 「事故と見せかければ、彼は何もしてこないでしょう」
 
スーツを着た男 「スレンを使うのならば、奴はそういうのは好まんぞ」
 
車椅子の男 「い、いえ、それは私の能力が適任かと思われます」
 
スーツを着た男 「ヘルの住人は人を惑わす力に優れていると聞く。頼む」
 
車椅子の男 「この前、我が街のリッチという男がウエピナで犬のような剣士に斬られたと噂で聞いております。 何でも、その斬撃は地中にある我々の街ヘルにまで届いたとか。 ゆ、許せません!」
 
スーツを着た男 「その剣士は?」
 
車椅子の男 「ヘルのある男がその斬撃を跳ね返したと聞きました。 手ごたえはあったと言っていたようです」
 
スーツを着た男 「死んだのだな?…ふふっ」
 
車椅子の男 「な!何がおかしいのですか?」
 
スーツを着た男 「あ、すまん。ヘルにまで届く斬撃を跳ね返す者がおまえの街にはいるのかと思ってね。実に頼もしい!」
 
車椅子の男 「お、お褒めをいただきありがとうございます! 私たちの食料は人間の魂。ただの食料に過ぎません」
 
スーツを着た男 「なるほどな。地上にいてもらっては困る人間ならいくらでもいる。ヘルの人間ほど私の計画を実行するのに有効な人種はいないだろう」
 
車椅子の男 「地上であなたのような人に出会えるとは、私も嬉しいです!」
 
スーツを着た男 「では、スレンの出番はまだないようだな。頼りにしているよ。オーディン」

オーディン 「まずは、DQNの研究員を探します。アルテモンの保管場所が分かり次第、抹殺に移らせていただきます」
 
スーツを着た男 「くれぐれも、事故に見せかけてな」
 
オーディン 「わ、分かっております!」
 
場所は変わり、中央の駅
 
リサ 「辿り着きましたね~。バウンサーさん」
 
バウンサー 「周りからは玉に話しかける変なやつとリサが思われていなければよいが」
 
リサ 「私!怪しまれないよう、なるべく話しかけないようにしていましたよ!」
 
バウンサー 「リサのビッチな格好がな。そもそも目立つんだ」
 
リサ 「ビッチって!格好だけで決めつけていたのですか?」
 
バウンサー 「バウ!」
 
リサ 「いや、バウじゃなくて!」
 
レオン 「…おい、お前らに野暮用って気配のやつが近づいて来るぜ…」
 
リサ 「え?誰かしら?」
 
見覚えのない若い女性が寄ってくる
 
見覚えのない人 「あのう…あなたはひょっとして、ウエピナの研究員、リサさんじゃないでしょうか?」
 
リサ 「ウエピナの研究員というよりかは、DQN社の元社員でしたけど」
 
見覚えのない人 「やはりそうでしたか! 私はブルーといいます!アイさんの助手をしております!」
 
リサ 「アイさんの助手ですか!? え? こんな偶然あるのかしら? それになんで私ってわかったのかしら?」
 
ブルー 「アイさんにはよく聞かされていますから! メタリカの技術を活かせる研究者はリサさん以外にいないと、いつも言っています」
 
ブルー 「それに…」
 
リサ 「それに?」
 
ブルー 「レオタードを着て研究している人は珍しいって…」
 
バウンサー やはりそこか
 
リサの耳元でレオンがささやく
 
レオン ブルーってやつの言っていることは嘘ではないようだぜ
 
リサ 「分かりました! ではアイさんのもとに連れていってくれますか?」
 
ブルーが近づき小言で話す
 
ブルー では、私に気付かれないように後を付いてきてください
 
レオン 「こいつはもう、俺の存在も知っている。 政府と繋がっているだろうな。 ついていくしかねぇ~か」
 

 
ブルー 「さっき玉のようなものと会話をしていましたよね?」
 
リサ 聞こえていた?
 
リサ 「ええ、あの玉とメタリカの金属加工の技術を使って、街を守る兵器を作りたいの!」
 
レオン 「ふっ…街を守る兵器だってよぉ」
 
バウンサー 「今、笑ったな」
 
レオンの言葉を信じ、ブルーについていくリサ達
 
~反社会勢力のアジト~
 
スーツを着た男 「トノトやDQNの研究員は見つかったか?」
 
社員 A 「いえ、足取りはつかめていません!」
 
スーツを着た男 「はっ? 何故だ! 駅でカードを使ったのならどこかの駅には降りるはずだろう? なぜ分からん!」
 
オーディン 「察するに…街に我々のスパイがいるように、政府からのスパイが我々の組織にいるのではないでしょうか」
 
スーツを着た男 「我々のスパイで駅員はいるか?」
 
オーディン 「東地区ですかね? 名前は確かミラー」
 
スーツを着た男 「ミラーだと? 奴はオーラ使いだろう?どんなオーラだ?」
 
オーディン 「どんな嘘も気づかれない…オーラだったはずです」
 
スーツを着た男 「そいつがスパイなのか?」
 
オーディン 「そ、それはないでしょうが、トノトのカードを使用した時点で、どこで降りるのかは聞いておくべきでした…その情報を聞くことすら怠ったのなら死に値します」
 
スーツを着た男 「そうだよな。 ヤツが嘘をつく訳がないしな…それにしても駅員だったとは知らなかった」
 
オーディン 「いずれにしても、ミスを犯したのなら、死んでもらいましょう!」
 
スーツを着た男 「おまえは人を食いたいだけだろう?」
 
オーディン 「いえ! 私は正義のためにゴミとなる分子を省きたいだけですよ」

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