見出し画像

北欧の魔法のシンボル Helm of Awe (畏怖の兜・恐怖の舵輪)


 ルーン文字を使った「魔法のシンボル」

ゲルマン系の民族が古くから使っていた文字、ルーン。
2-3世紀にはすでに使われていたそうですが、ルーンの語源は「秘密」を意味するゴート語だとも言われています。

ルーン文字は記号としてだけでなく文字自体に意味を持っているため、昔の人はルーンを組み合わせ魔法の譜表をえがきました。

有名なのは古ノルド語で書かれた北欧神話の写本、詩のエッダに登場する「Ægishjálmur」ではないでしょうか。
英語で「Helm of Awe (ヘルムオブオー)」と呼ばれる魔法のシンボルです。
日本語だと「恐怖の兜」などと訳されます。
Helmは兜の意味ですが、他にに舵の意味も持つ事から「畏怖の舵輪」、「畏敬の輪」とも訳されます。

画像1

(Helm of Awe / 畏怖の兜)

画像4

(畏怖の兜を掘り込んだ木皿)

関連商品:「ヴァイキング シンボルの木皿」 https://arsenal.theshop.jp/items/33737101

 呪われた竜の宝

畏怖の兜は、眉間にこの印を着ければ相手が畏 (おそ) れおののき恐怖に支配されるという魔法の力の印で、いくつかのルーン文字の集合体と考えられています。

かつては小人で、宝物を守るために呪われ竜 (蛇) に姿を変えたファフニール (ファーヴニル) は、眉間にこのシンボル着ける事により誰も打ち負かすことの出来ない無敵の存在になり、その印に人々は畏れおののき誰も近寄れなくなりました。

フォルスンガ サガにはこの「ヘルム オブ オー/畏怖の兜」が、ファフニールの守っていた宝物の一つとして書かれています。

画像2

画像3

(北欧神話/ゲルマン神話、シグルド=ジークフリートのファフニール=ファーヴニル退治)

 ひたいに描く魔法の兜

ヴァイキングの戦士は相手を恐怖させ、自らの恐怖を抑えるため、また戦いにおける保護を求めてこの偉大な力を持つ魔法のシンボル身につけたといいます。
ある者はひたいに描き、またある者は兜の裏側にこの魔法陣を描いたそうです。
それはまるで相手が襲ってくることの出来ない、ひたいに描かれた魔法の兜。
相手を恐怖で支配する魔法の舵の様です。

強い力を持ったお守りとして、旅する者もこの印を身につけたと言います。

Helm of Awe/畏怖の兜のアイスランド語「Ægishjálmur (Aegishjalmur)」はアエギスAegisとヒャルムルHjalmurを組み合わせた言葉だとも言われており、Aegisは盾、Hjalmurは兜を意味します。
さらにHjalmurは兜を表す英語「ヘルム (Helm)」の語源になったという説があります。
舵や舵輪を表す英語もHelmで、支配するという言葉から来ているのでこのHjalmurが語源なのかもしれませんね。

14世紀のキリスト教僧侶が書いた「ソルリの話」ではヘジンがイーヴァルに対し、相手のホグニが恐怖の兜 'Horror Helmet' (ægishjálmr) を被っているのでホグニの顔を見ないようにと勧めた事が書かれています。
この時すでにHelm of Aweは被る兜という認識になっていた様です。


今回も読んで頂きありがとうございます、「サポート」も大歓迎でございます👍

下のボタンから是非よろしくお願い致します🙇‍♀️

-----------------------------------
【ウルフバート トーキョー】

Webショップ. https://arsenal.theshop.jp
Twitter. @ULFBERH_T
Instagram. @ulfberht_tokyo

現在、日本ヴァイキング協会の「ヴァイキングマーケット」にも
ウルフバート トーキョーの作品を出品中です
https://market.japanvikings.com/categories/2691629

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?