四季

読書と乙女ゲームとラジオが好きです。

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最近の記事

子どもの日のケーキ(2024年5月5日(日)の300字小説)

 子どもの日の今日、予約していた子どもの日ケーキを受け取りに行った。5歳になる息子は甘いものが大好きで、きっと今年も喜んで食べてくれるだろう。  鯉のぼりの形のケーキ、息子はいつも目玉のところを好んで食べる。鰭のフルーツのところの方が美味しいと思うが、どうやら目玉のチョコレートがお気に入りらしい。 「ママのオレンジもあげるね」 「ありがとー」  夫が私たちがケーキを食べているところを写真に撮る。夫もケーキを食べたが、甘いものが不得意なので、少しだけ食べた。  来年も、その次も

    • 2年ぶりのゲーム(2024年5月3日(金)の300字小説)

       久しぶりに、あつまれどうぶつの森を起動した。ゲームをやる夢を見て、なんとなくやってみたくなったのだ。  どうぶつの住民に「久しぶりー」と言われる。昔のニンテンドーのゲームは、久しぶりに起動すると冷たいことを言われた。最近は優しい。  ふと、家の前のポストを見る。貯金の利子と、母からの誕生日プレゼントが入っていた。  あと、ポストカードが入っていた。  さゆちゃんからだった。  さゆちゃんは一時期、一緒にあつ森をやっていた。最近はあまり一緒にゲームをしていない。  2年前のさ

      • 彼とコナン観に行った(2024年5月1日(水)の300字小説)

         彼氏と映画を観に行った。  帰りにマックに寄り、夕飯にする。  彼と、「去年のコナンの方が面白かったね」と笑い合う。そんな日常が、10年後に大切だと思うのだろう。  その時も隣に居てほしい、と思った。でも、上手く言葉にできないので、 「来年もコナン観に行きたいね」と私が言うと、彼も、 「そうだね」と笑ったのだった。 おしまい

        • 韓流風?(2024年4月30日(火)の300字小説)

           今日からやって来たインターンの学生の男の子は、2003年生まれだそうだ。近未来だ……、と思いながらアラサーの私は対応する。 「ここまでで何か分からないことある?」 「今のところ大丈夫です」  学生さん、谷くんは私をじっと見て、 「韓流好きですか?」と、唐突に訊いてきた。 「なんで分かるの?」 「なんとなくですけど」  谷くんは、韓流アイドルみたいな見た目をしている。髪型とかちょっと意識しているかもしれない。 「谷くんは韓流っぽくてかっこいいね」 「ありがとうございます」  

        子どもの日のケーキ(2024年5月5日(日)の300字小説)

        • 2年ぶりのゲーム(2024年5月3日(金)の300字小説)

        • 彼とコナン観に行った(2024年5月1日(水)の300字小説)

        • 韓流風?(2024年4月30日(火)の300字小説)

          私にとっては3連休(2024年4月29日(月)の300字小説)

           世間では10連休とか言われているが、私は明日は出勤だ。3連休で多少疲れが取れたが、なかなか仕事に対してやる気がわかない。  しかし、行ってしまえば仕事をするしかないのでやる気云々ではないのかもしれない。  お風呂から上がって、炭酸水を飲みつつぼんやりとテレビを観る。普段見てないチャンネルでは、大食い対決がやっていた。 (こんなにたくさん食べて体型変わらないの、いいなあ。きっとうんこがすごくでかいんだろうなあ)  そんなことを思いながら、明日の仕事のやることをスマホでチェック

          私にとっては3連休(2024年4月29日(月)の300字小説)

          心が鳴る(2024年4月28日(日)の300字小説)

          『今日、予定ないんだよね』  気になる男子からのライン。なんて返せばいいか分からない。否、『じゃあ会おうよ』みたなことがすらっと言えるなら、こんなに悩まないんだ。  既読から6分後、相手から、 『良かったらご飯行かない?』と続いてきた。  私から言えなくてごめん、と思いながら、 『行こう! 何食べに行く?』と聞いた。 『お蕎麦食べたいんだけど、良い?』 『お蕎麦。渋いね、いいね』 『日本酒を飲もうよ』  彼からのラインがピロンと鳴る度に、私の心も鳴る。嬉しくて、顔がにやつくの

          心が鳴る(2024年4月28日(日)の300字小説)

          三連休最初の日(2024年4月27日(土)の300字小説)

           昨夜遅くまでゲームをしていたので、起きたのは昼近くだった。昨日の酒が残っている頭を振って、なんとかトーストを焼いて齧った。  今日から三連休。部屋の整理整頓と掃除くらいしか予定がない。最高に贅沢。あとで、書店にでも行こうか、と考えている。ますます片付けなければいけない本が増えるじゃないか。それはそれで幸せだ。  ラインが遠方に住む母から来た。『お米送ったよ』と簡潔なものだった。  久しぶりに通話をしよう。電話口の母は、疲れた声をしていたが、元気そうでもある。 「夏休みには帰

          三連休最初の日(2024年4月27日(土)の300字小説)

          私たちの行楽(2024年4月26日(金)の300字小説)

          「ゴールデンウイークだねえ」 「そうだねえ」 「出掛ける?」リビングルームで夫がテレビを観ながら話す。産休中の私、在宅勤務の夫、小さな赤ちゃん。それが私たちだ。 「小さな子を連れて、人混みの中には出掛けられないかな……」 「そうだねえ」  夫は思案顔で、 「でも、花が咲くころだよね。ちょっとお散歩には行きたいね」 「そうだね、それは行きたいね」私が言うと、夫が、 「マック買って、公園で食べない?」と提案してきた。  その光景が平和そのもので、私は、 「良いね」と笑ったのだった

          私たちの行楽(2024年4月26日(金)の300字小説)

          今日の私のことです(2024年4月23日(火)の300字小説)

          「お腹空いた……」  帰宅時、私のお腹は情けない音を立てて鳴いた。今日は昼に用事を足しに行ったので、お昼を食べる暇がなかったのだ。夕飯は、昨日の残りのカレーだから、特に苦労せず食べられそうだけど、家に帰るまでもちそうもない。  帰り道のコンビニに寄る。最近は余計なものを買うのを控えるためになるべく行かないようにしていたが、やはりコンビニは便利だ。  ホットスナックのから揚げを買って帰る。ついでにノンアルコールドリンクを買う。美味しそうな匂いが食欲をそそる。早く家に帰って食べた

          今日の私のことです(2024年4月23日(火)の300字小説)

          私小説?(2024年4月22日(月)の300字小説)

           懐かしい夢を見た。学生時代の夢だった。  目覚めた私は、社会人だった。どうしてこんなに年を取った? と、急に悲しくなってしまった。目覚めに混乱していた。  夢の中は幸せだった。人は幸せな現実のときには辛い夢を見て、辛い現実のときには幸せな夢を見る、と昔聞いたことがあった。今は、辛い現実なのかもしれない。  でも、もうどう辛いのか分からなくなってしまった。辛さを考えるのを辞めた。趣味や勉強に打ち込むことで、辛さを考えることを放棄したのだ。それは一見成功していると思える。  日

          私小説?(2024年4月22日(月)の300字小説)

          春風は爽やかに(2024年4月20日(土)の300字小説)

           遠くで吹奏楽の音が聞こえる。野球部の球を打つ音がする。  僕らは図書館で来年の高校受験の勉強をしている。君は、長い髪がさらりとしていて、つい触ってみたいと考えてしまう。  君が視線を上げた。 「ん? 集中力切れた?」 「ちょっとね」 「帰りにコンビニ寄ろうよ」 「いいね」  君に英語を教わり、僕は数学を教える。図書館は他に机で寝ている生徒と、暇そうに本を読んでいる図書係しかいなかった。  窓が開いているので、カーテンのレースがひらりと靡く。  一緒の高校に入れれば、この時間

          春風は爽やかに(2024年4月20日(土)の300字小説)

          金曜の夜は(2024年4月19日(金)の300字小説)

           仕事にも精が出る 金曜の午後、と始まる歌があった。今私はそんな感じだ。  明日になったら、彼氏のミキくんに会えると思うと、やる気のない仕事にも精が出る。今、ミキくんと同棲の話が持ち上がっていて、部屋を探したり、準備をしているところだ。  同棲することで結婚が遠のく、みたいなことも聞いたが、私は素直にミキくんと長く一緒にいられることが嬉しい。好きなものが一緒、というよりも嫌いなものが一緒で、共にいても疲れないところが気に入っている。  最近、不動産巡りとかだったので、デートら

          金曜の夜は(2024年4月19日(金)の300字小説)

          別れ話をしよう(2024年4月17日(水)の300字小説)

          「別れよう」 コメダ珈琲で別れ話をしている私たちはシュールだなと、客観的に思った。 別れを切り出した彼は、切羽詰まった顔をしている。そんな彼を見ている私はどんな顔をしているだろう? 「予想はしていた」 「そうなの?!」心底驚いた声で彼は言った。  負け惜しみではなく、本当に別れるんだろうなって思っていた。なんだか、女の影を感じていたし、彼が最近よそよそしかったから。 「いいよ、別れよう」泣いて縋らないのが、私の最後の矜持だった、と思いたい。 「良かった。水でもぶっかけ

          別れ話をしよう(2024年4月17日(水)の300字小説)

          保育園の洗礼(2024年4月16日(火)の300字小説)

           火曜日の朝は週の中で一番気合いが入らない。まだ火曜日。こんなに疲れているのに、まだ火曜日という絶望感。  それでも、なんとかお昼まで頑張った。黙々とお弁当を食べる。昨日の残りのハンバーグ、美味しい……。  そんな私のスマホが鳴った。息子を預けている保育園からだった。嫌な予感しかしない。 「すみません~。かずくんが熱を出しました」やっぱり……! そんな予感しかしなかった。  上司に説明して、渋い顔をされて早退する。保育園の息子は、高熱で逆に元気いっぱいで帰宅後の大変さが偲ばれ

          保育園の洗礼(2024年4月16日(火)の300字小説)

          春の恋(2024年4月14日(日)の300字小説)

          「花ちゃん最近可愛くなったね」  友達の佐和子ちゃんにそう言われて、嬉しいけれど照れ臭かった。 「そっかな。最近ね、好きな人ができたの」 「まあ! 良かったね。どんな人?」  彼が大学に入学してきた新入生で年下なこと、背が高くてちょっとだけ斎藤工さんみたいに見えることなどを話した。 「サークルに入部してきたんだよね」 「花ちゃんのサークルって」 「うん、ミステリ研究会」 「……それはアクが強そうだね」  否定できないところが辛い。 「でも、三大ミステリが好きらしいから、普通だ

          春の恋(2024年4月14日(日)の300字小説)

          私小説(2024年4月13日(土)の300字小説)

           今日はラジオを聴きながら漫画を読んで過ごしている。人間、深く考えずに過ごす時間も必要だ。いつだって真剣勝負だったら、疲弊してしまう。  横山三国志を読みながら、今日の夕飯は頂き物の、帝国ホテルのレトルトカレーにしようと思った。みそ汁とサラダは作ろう。  外はこんなに天気がいいのに、一歩も出ない! 最高に贅沢な春の日。  ホントは映画に行きたかったけど、昼に起きたら間に合わなかったんだよね……。  明日日曜日に行きたいけど、明日も起きられないかもしれない。そのときはそのときだ

          私小説(2024年4月13日(土)の300字小説)