墓場公園で起きた事件
子どもたちが通う現地校のとなりには、かつて古い教会の裏庭だった小さな公園がある。春には花が咲き乱れリスが駆け回る。初夏のこの時期は鮮やかな緑の芝生に大きな木が涼しい陰をおとす。片隅には小さな子どもたちが遊ぶのにちょうどいいプレグラもあるので、天気のよい日は、犬の散歩をする人やピクニックをする人もいて、学校帰りにそこで30分くらい子どもたちを遊ばせて帰る親も多い。
しかし実はこの公園、教会の裏庭跡地なので、よく見ると教会の壁沿いにびっしり埋め込まれているのは名もなき人々の古い墓標だったりする。お年寄りが腰かけているベンチは石棺、子どもたちが鬼ごっこでバタバタ踏んでるそれは誰かさんの墓石。
だから、その公園には「パディントン・グリーン」という爽やかな名前があるにもかかわらず、私と日本人のママ友は「墓場公園」と呼んでいる。
日本人にとって、墓場はちょっと怖い場所だ。暗くなったら幽霊出そうだし。明るい日中でも変に通りたくはない。だから、私はロンドンに来た当初はちょっとビビって、ヨーヨーや あーちゃんに「その石踏まないで!」なんて注意していた。
が、どうやら英国人の墓石に対する感覚は日本人とはだいぶ違うようなのだ。
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