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トぅイーティんぐぱらキート

先日6歳になったヨーヨーは、毎週日曜日の朝の「仮面ライダーゼロワン」を楽しみに見ている。その劇中に出てくるのにそっくりのライダーベルトと、それにガチャッとはめて楽しむ「プログライズキー」というパーツのセットが、去年の誕生日のプレゼントであった。

しかし、親としては買った後に気が付いたこととしては、その「プログライズキー」はそもそもいろいろな動物の能力を実装できるという設定なので、おもちゃも次々とシリーズが発売されるのである。ひとつづつに異なる動物の絵があしらわれていて、例えばゴリラのプログライズキーをベルトに装着すると、”Authorized! Kong's Ability! ~♪ Punching Kong ♬”と、英語のナレーションと共にノリノリな音楽が鳴る。

子供はそれにコロッとまいっちゃって「サメも欲しいなあ」「銀色のバッタが凄いんだよ」とコレクションしたがるんだが、ぶっちゃけ絵と音以外は同じプラスチックのくせに1個1,000円とかするので、なんちゅうアップセルモデル、絶対買わんよ!と肚を決めた私は、折に触れてそれを欲しがるヨーヨーの要求を却下し続けてきた。

で、最近、ヨーヨーがやたらと「どじょうって英語でなんていうの?」「インコは?」「泳ぐは?」「さえずるは?」とか聞いてくるようになった。私がそれに適当に答えていたら、「大事なノート」にそれをメモしている。

「大事なノート」というのは、去年、パパがドイツ出張のお土産に買ってきたハードカバーの美しい装丁のついたノート(表題写真)。私は「こんな立派なの早すぎる」と言ったのだが、ヨーヨー本人が「大事にする」と約束をして、時々取り出してはその時のブームの数字を書いたり、船の絵を描いたり、迷路を書いたりしている。私に一度反対されたけど勝ち取ったという経緯もあって、ちゃんと引き出しにしまって日々の落書きには他の裏紙を使うなど、彼なりの基準でここぞという時に使ってるようなのがおりこうだ。

頑張って書いてるなとは気づいていたけど、今日出しっぱなしになっていたのを改めて見たら・・・

読めるだろうか?

かな・カナが混ぜこぜで色もバラバラ、左から右に書いているものや縦書きのものもあって、多分、書き順もメチャクチャなんだけど、「ママー、へびって英語でなんて言うの?」「Snake」「スニィク?」「スネーク、”ネー”って伸ばして書くといいよ」と、私がまあまあ良い発音で適当に答えた英語を聞き取り、彼は独自のプログライズキーをたくさん考案していた!

じゃんピンぐ フろク(跳ねる蛙、Jumping Frog)※右から左書き

ダんしんぐ スネーく (踊るへび、Dancing Snake)

スいみんく タトう(泳ぐカメ、Swimming Turtle)

ジャんピんぐ わいるどらビト(跳ねる野ウサギ、Jumping Wild Rabbit)

くいく もんティス(素早いカマキリ、Quick Mantis)

しざーりんぐ くれーフィしいぅ(挟むザリガニ、Scissoring Crayfish)

トぅイーティんぐ ぱらキート(お喋りセキセイインコ、Tweeting Parakeet)

すいみんぐ ろうち(泳ぐどじょう、Swimming Loach)

スてィんギんく ビー(刺すハチ、Stinging Bee)※縦書き

フらイんぐ すワろー(飛ぶつばめ、Frying Swallow)

じゅんピんく ドるフィん(跳ねるイルカ、Jumping Dolphin)

・・・6歳で公文やチャレンジをさせていれば、もっとしっかり字が書けるはずだとは思うけど、私は彼に字を教えたことがない。付き合う余裕なんてないと思っていたし、どうせ小学校で教えてもらえるからと放置してた。これは彼が自力で、保育園のお友達から盗み覚えたライティングスキルなのである。

でも、それよりも、実はプログライズキー欲しすぎなのに買ってもらえないから自分で考えて書かずにはいられなくなった、そのけなげさに心が動いた。本来、シャークとかチーターとかウルフとか強い系の動物で固められているプログライズキーなのだが、身近な生き物のラインナップがかわいらしすぎやしないか。

プログライズキーを全部買ってあげたくなるくらい胸を打たれたんだけど、ここはそうではなく、字の練習に付き合ってあげる時間を作ろうと思う。

小さい男の子にとってのゆたかさとは何か。お金やモノで解決してもらうことではなく、親と共に遊んで過ごす時間だと、今は思うから。

子供の日記帳を勝手にブログにあげるのは良くないというのは分かっているので、これを最初で最後にします!

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