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世界配信向けのゲーム企画書の作成事例。差別化が難しいジャンルはモチベーションサイクルも取り入れる

引き続きゲーム企画書の参考事例集をお届け。

少し古いけど、2010年9月にリリースし、すでに日本ではサービス終了しましたが私がプロデュースした日本ではオリジナルタイトル「ソウルアライブオンライン」(PC)というゲームの企画書をご紹介。

当時スマートフォンのゲームはなかった時代。当初モバゲー、Gree全盛期で、同時期にmixiのソーシャルゲームが大流行していた時代。私はソシャゲとPCオンラインのリリースと開発を担当していたのですが、PCオンラインの企画書を参考までに公開する。

なお、前提として、本作は香港の人気漫画家(馬栄成)の原作「中華英雄」という題材を使ったオンラインPRGだったゆえ、日本ではほぼ無名の作品だったことを事前に添えておく。

作品のイメージは海外版ドラゴンボールのようなものであり、映画化もしている。後の作品、「龍虎門」「酔拳」などは映画化して日本でも放映しているのでご存知の方がいるかもしれない。ジャッキーチェンやドニーイェンなどが出ているのでアクション好きな人は強くおすすめ。

なお、開発は台湾のパブリッシャーだったが、当時最大同時接続数が30万人ぐらいを達成していた人気MMORPGだった。

ということで企画書を添付する。

表紙1|タイトル+メインビジュアル

アジア圏では著名であっても日本では無名。そのためにコンセプト作りやテーマをどうするか悩んだが、最後は格闘寄り+アクションという部分を膨らませる設計とした。

ちなみにリリース当初は筋肉マッチョのメンズ押しでPRしまくっていたけど反応が全く取れずに即座に路線変更を行い、日本デザイナーの起用や女性キャラをオリジナルで制作しつつマーケティングを行った結果、なんとか上手くいった。

タイトルの選定はスライドに書いている通りで、格闘ゲーム風がイメージできることを想定して設計し、キャッチコピー メインビジュアルもそれ風に仕上げた。

ちなみに当時全タイトルのキャッチコピー 、デザイン、広告を制作したのは私(ちょっと頑張った)。

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2|ゲームコンセプト、特徴

詳しくはスライド内に記載しているがテーマと開発者側の意図を記載している。ゲームの特徴はインターフェースはPCのキーボードなので、特段変わったことはないので操作性はスライドから排除。

特徴のみをピックアップして記載している。

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3|ウリの要素1

上のスライドの詳細を記入する欄。本当は画像や動画があるといい。

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4|ウリの要素2

本作はグローバルリリースなので注意すべき点などをピックアップして記載。アジア圏は特に、中国、台湾、韓国、日本は趣味嗜好が異なる。そのためにVerを分けてリリースすることが当たり前だった。

このスライドでは、市場内での差別化とマーケティング観点を着地させる企画要素を書いている。

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5|ゲームサイクル

ざっくりとご紹介するが、基本はキャラクター強化にスポットをおいたマネタイズ部分と、バトルサイクルをさせる設計。日本はソロプレイを好む傾向が強いため、ソロ部分をある程度拡充する必要があった。

報酬はすごく簡略化して書いているが、コンテンツ単位で獲得できる配分を設計し、満遍なくプレイするように誘導を目的としている。

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6|モチベーションサイクル

どこで喜びや達成が得られるのか?を書いた部分。本作は単なるゲーム資産の蓄積だけではなく、プレイヤースキルの介在余地があるため、2つの達成、成長、モチベーションフロー(モチベーション観点)を意識して会議している。

もう少し丁寧に書けたらよかったけど、今回はこの辺で。

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まとめ

さすがに10何年前の企画書なので手元になく、ネット上にもあまり情報がなくて見せたい情報もないのが残念だった。

ただ企画書の参考としては最低限設計できたので、何かしらの参考になれば幸いである。

なおゲームの仕様書は別途もちろん作るわけなので、詳細は下記の記事もご参照いただきたい。



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