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社内でモヤモヤしている方へ贈る ~コミュニティのススメ~

<本投稿は、コミュニティマーケティングAdvent Calendar 2023 12月16日のエントリーです>

みなさん、こんにちは。私は、某大手製造業の情報システム部門で情報インフラ・セキュリティ全般を担当しています。このnoteでは、新卒から20年以上、いわゆるJTC(Japanese Traditional Company:伝統的な日本企業)を渡り歩いてきた私が、コミュニティに関わることで起きた変化についてお話ししたいと思います。


1.コミュニティ以前の私

 私は大学を卒業後、関西にある中堅の通信工事会社に入社しました。この会社は約500人の従業員を抱え、主に電力や鉄道などの社会インフラに関連した通信工事を行っていました。私は現場監督として、日々現場で直接工事を手がけたり、工事チームの施工・工程管理を担当していました。

 その後、私は国内のSIer(システムインテグレーター)でネットワークエンジニアとしてのキャリアを積みました。具体的には、国内の鉄道事業者を専門にお客様の基幹ネットワーク構築を手掛けていました。この仕事は社会的な意義が高く、技術的な難易度も高いため、充実感を感じながら取り組んでいました。

 しかし、ずっと同じ職場で、同じお客様に対して同じ技術を提供することが、会社にとっては効率的である一方で、個人的には成長の限界と不安を感じるようになりました。これからも同じ仕事をずっと続けるのか、という疑問が頭をよぎり、モヤモヤした気持ちが募りました。長らく会社の枠組みの中で生きてきたため、このモヤモヤをどう解消すべきか分からず、日々資格取得に励む日々を過ごしていました。

2.コミュニティへの参加

 通信工事会社時代の社長に私の抱えているモヤモヤについて相談すると、社長の知り合いが主催するクラウド系コミュニティが大阪で開催されると聞き、そのイベントに参加するよう誘われ、行ってみることにしました。

 到着した新大阪のイベント会場は当然見知らぬ人ばかりで、ものすごいアウェイ感が漂っていました。緊張していた事もあり、正直言ってどのようなコンテンツが話されていたのかはあまり覚えていません。

 しかし、本編が終わった後の懇親会では、自営業の社長から上場企業の役員、GAFAの社員、転職活動中の人まで、さまざまな背景を持つ人々が、初参加の私の話に耳を傾け、経験やアドバイスを惜しみなく共有してくれました。これまで階層社会で生きてきた私は、フラットなコミュニティの温かさを感じ、何度も参加するようになり、多くの方との繋がりを築く機会を得ました。実は、懇親会で現職の上司の隣に座ったことがきっかけとなり、ご縁もあって、今の会社へのコミュニティ転職を果たす事ができました。

3.参加者から登壇者へ

 コミュニティへの登壇が決まった経緯は、上司が登壇するイベント、コミュニティリーダーズサミットin高知「CLS高知」に業務出張として応援に行ったことから始まります。

 CLS高知は、イベントコンテンツの充実度が高いだけでなく、懇親会が大きな交流の場として機能していました。それは、100名以上の参加者が同じTシャツを着て懇親会をし、その後も高知市内を舞台に二次会・三次会が繰り広げられるというものです。高知といえば、カツオ、餃子、土佐あかうしなどが有名ですが、どのお店に行ってもCLSメンバーが集い、語らい、お店をホッピングするたびにメンバーが入れ替わり、最後のカラオケスナックで夜明けを迎える頃には全員が顔見知りとなり、 #ヤリキル のハッシュタグとともに X へ報告する所までが一つのセットとなっていました。

 話が少し脱線しましたが、そんな高知での強烈な体験を再び経験したいと思い、その後に開催された「CLS道東」には自費で参加する事にしました。CLS道東では、本編が開催される前のワーケーションプランから参加したのですが、そこで「コミュニティマーケティング」の著者であり、日本でのコミュニティマーケティングの生みの親、コミュニティ「CMC」を主宰する小島さんと初めて二人で、北見名物の焼肉を食べよう!という事になったのです。

2月の北見は気温マイナス7℃、雪が深々と降り積る

 そんな雲の上の存在の小島さんと二人で焼肉というシチュエーションが生まれるのがまたコミュニティの醍醐味でもあるのですが、マーケターでもないエンジニアの私が何を話せば良いのか悩んでいたんですよね。都市圏の感覚で注文したらものすごいボリュームで出てきたお肉を焼き、量り売りとは知らずに焼酎を1瓶飲み切りながら、これまでの経緯(JTCな私がコミュニティに参加し、繋がりを広げ、転職するまでのストーリー)を小島さんにお話ししていました。

換気のため店内は寒い。コタツに毛布、ダウン着用で乾杯!

 そして翌朝、宿の大浴場の湯船で小島さんと偶然再会したのですが、再会するやいなや「昨日のお話で登壇してみませんか?」とまさかの提案がありました。私はこれまでお世話になっているコミュニティに何らかの形で貢献したいとずっと思っていた事もあり即座に快諾。CMC_Meetup大阪でコミュニティ登壇デビューを果たすことになりました。どこで、どんなチャンスが巡ってくるのかは本当に分からないものです。

 大阪での登壇をきっかけに、他のイベントやオンライン対談など登壇機会が増え、最近では「どこかで登壇されていましたよね?」と声をかけられることが増えて来ました。存在や活動を広く知ってもらうことで、相手にとって自分の存在価値が高まります。また、自分にとっても、成長のチャンスを掴む確率が高まる事になるのです。

4.登壇者から運営者へ

 コミュニティへの参加や登壇を続ける中で、CMC大阪の運営チームへのオファーがあり、これも快諾しました。運営側になると、これまでに繋がった知り合いを通じて集客活動する事ができます。イベントに参加する→コンテキストを理解する→イベントに登壇する→自分の認知が広がる→運営するイベントに来てもらえる→またイベントに参加する、という風に、参加→登壇→運営サイクルを繰り返すことで、見識を深め、人との繋がりを強化し、コミュニティの発展に貢献する事ができます。

 また、より大規模なコミュニティイベントの運営に参加する機会を得て、新たなチャレンジをしています。運営は「コミュニティ」とは異なり「チーム」として共通の目標に向かって達成する必要があります。大規模イベントでは、チームの役割がより細かく分けられ、難易度が高まりますが、経験豊かなメンバーの一員として、プロジェクトの進行方法や課題解決の技術を学ぶことができ、これが新たな経験と学びになっています。

5.最後に

 コミュニティとの出会い、特にCMCとの関わりが、私の人生を大きく変えました。コミュニティは、人生の登場人物を広げ、ロールモデルを見つける機会を与えてくれます。人間は、自分が置かれた環境や周りの人たちの影響を強く受けるものです。ロールモデルが存在するコミュニティへ積極的に関わることで、知らぬ間にそのコミュニティが持つ「平均値」ぐらいまで自分の力を引き上げてくれるのではないでしょうか。

 そして、その第一歩を踏み出すのは非常に簡単です。コミュニティを見つけ、イベント参加申し込みボタンをポチっとワンクリックすれば完了します。中でもCMC_Meetupがおススメです。カレンダーの予定はその後に調整しましょう。社内でモヤモヤしている方へ、コミュニティとの関わりが最高のクリスマスプレゼントとなることを願っています。


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