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フードロスの全体像とそれに対する取り組み

今回はフードロスについて書いていきたいと思います。
フードロス対策の一例を紹介しているのを目にしますが、全体像を理解した方がより理解いただけると考え、今日のテーマにしました。

ちなみに、フードロスとは、まだ食べられる食品を捨ててしまっていることをさしています。

・フードロスの全体像とは?

まずは基本的な食品流通がどのようにできているのかを見ていきたいと思います。

簡単なフローチャートで示すと
食品生産者→食品製造or卸売業or小売業→一般家庭or外食産業
という流れで食品は流通されています。

上記の流れに沿って、フードロスは大きく分けると
①製造段階  ②流通段階  ③消費段階
の3段階で起きています。
↑のフローチャートだと、
①→食品生産者or食品製造 ②→卸売業or小売業に代表される食品運搬全体 ③:一般家庭or外食産業 の過程を指しているんです。

では、①~③で具体的にどんなフードロスがでているのでしょうか。
具体的には、
①:規格外品や売れ残り食品廃棄
②:製品や商品の売れ残り・返品廃棄(賞味期限切れ)
③:食べ残し、手つかずの食品廃棄、食べられる部分を捨ててしまう過剰な除去

といったようなフードロスが各段階で出ている状況です。

・それぞれどういう取り組みがとられているのか?

全部を載せるのは大変なので、いくつか紹介させてください。
先ほどの①~③に合わせて紹介していきます。

・③外食業界:廃棄される食品を新たな”商品”に
飲食店では正確に顧客の人数を想定することはほぼ不可能である以上、食品が余ってしまうことがあります。この本来廃棄されるはずの余剰食品を有効活用しょうというものです。

TABETE」や「tabekifu」、「Reduce Go」といったサービスがあります。
お店にとっては本来捨てるはずのものが売上になり、消費者はお店の料理をやすく食べられ、環境にも優しい、という”三方良し”なサービスなんですね。
アプリで利用可能なので、気になった方はダウンロードされてみてはいかがでしょうか。

・③外食業界:食べ残しを持ち帰る箱「ドギーバック」
アメリカ発祥のバッグで飲食店で食べきれなかった食事を家に持ち帰るためのモノです。
日本には「ドギーバッグ普及委員会」というものがありますよ。

2020年に環境省が「ドギーバッグアイデアコンテスト」を主催していたことが話題になりました。ちなみにこれは、「ドギーバッグ」という名前をもっと利用されやすいものに変えよう、という企画です。恐らく、まだコンテスト結果は発表されていません。

・①食品生産者:産直EC
規格外品を販売できるECサイト。せっかく作ったのだから食べてほしいという生産者の方のお気持ちが伺えます。
例を挙げると、「Let」や「タダヤサイ」といったサービスがあります。

・②、③:シェアリングキッチン
シェアリングキッチンという固定ではなく流動的に使用できるキッチンを使って、廃棄食品を食事に変えています。
シェフが常に同じではなく、様々な料理を楽しめるところが魅力的です。「% Kitchen」がサービス例になります。


他にも、〈フードバンク〉や〈フードトラック〉といったサービスもありますよ。

・まだ対策がとられていない部分へのアプローチ

ここではまだフードロス対策が手薄だと思われる部分について考えていきます。

・①:賞味期限の設定
当然ではありますが、小売業者や卸売業者は賞味期限が過ぎてしまった商品を販売することが出来ないので、廃棄してしまいます。

そもそも、賞味期限はいわゆる「最大限おいしく食べられる最終期限」を指しているので、過ぎたからといって食べられないわけではありません。衛生的に長期間保存できる加工食品にしか表示されないものですし。

なので、この廃棄される商品を有効活用する研究がされればいいなと思います。例えば、「〇〇系の食品なら、賞味期限を過ぎて1週間以内に加熱することを制限に、新たな加工食品として販売を可能とする。ただし、賞味期限を過ぎた商品を使っていることは表示義務とする」みたいな感じで。

・③:家庭の手つかず食品の廃棄
思ったより量が多くて使いきれなかったり、旅行で家を離れるから捨ててしまうことは頻繁に家庭で起きているはずです。

この食品を有効活用する方法があればいいなと思います。
イギリスでは「OLIO」というおすそわけアプリがあり、食料や小売の売れ残りをシェアするサービスになっています。こういうサービスが生まれたらいいなと。

余談ですが、1人暮らしで料理をするとなると、2・3日同じ食事になる話を聞きます。確かに、1食分の小分けセットみたいなのあんまり売ってないですもんね。大体3~4食くらいできそう。
そう思ったらおすそ分けってすごくいいんじゃないかって思えてきました。

・「フードロス対策」が生活に馴染むには

一般的にフードロス対策は環境対策として取り組まれていますが、規模が大きく結果が出るまではある程度長期間見なければ行けない内容です。
それゆえに、取り組みの結果を身近に感じにくい面が生まれます。
人々に「フードロス」が浸透しない理由の1つがこれだと私は思っています。

この時、「フードロス」を身近に感じてもらうためには、環境面以外からの切り口でアプローチする必要があります。例えば、「食費の節約のために、ドギーバッグ持ち歩きませんか?」という感じです。
そういう自然と取り組めるようなシステムづくりを私自身も考えていきたいですね。

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