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Microsoftが売上手数料を減らしたことに対して考察したこと

今回はこちらの記事にあるように、最近のゲームやサービス開発者に対する待遇の変化について考えていきたいと思います。

記事と同様の内容にはなりますが、Appleが2020年11月にアプリ開発者から受け取る手数料を一定の売上量までは15%に減らしたことを皮きりに、Google・Steamが続いています。
そして、今回Microsoftは8月にPCゲームの開発者から受け取る手数料を12%に減らすことを発表しました。

・2つの疑問点

ここからは、Microsoftに限定した考察になりますが、今回のニュースに2つ興味を持った点があり、
1つ目が、手数料を下げることで、Microsoftの売上にどのくらいの影響が出るのかということ
2つ目が、そもそもPCゲーム開発者から受け取れる手数料割合を下げられるのはなぜかということ
の2つです。

どういうことかということ、1つ目は、そのままの意味です。
100万ドルの手数料が15%になったとすると、それまでが30%なので、1つゲームにつき最大15万ドルの売上減少になります。

仮に、1億円を上回る売上を出せるゲームが1000個だとすると、15万ドル×1000=15億ドル=1.5ビリオンが減少する計算になります。(1000個に根拠は全くないです。本当に推定です。)
これがどのくらいの影響があるのか調べてみようと思います。

2つ目は、Microsoftがゲーム市場としているPCゲーム市場は縮小気味だと私が推測したということです。
他社が手数料を下げているとはいえ、縮小気味の市場で手数料を下げられるのか気になりました。

・Microsoftの収益構造

まずは①からですが、こちらはGAFAMの収益構造です。(2019年度のデータ)
このうち、Microsoftの売上は126ビリオンで、Gamingが占めているのは9.1%で
126×0.091=11.466ビリオン
先ほどの過程通り、1.5ビリオンの売上が減少したとすると、13%の売り上げ減少になります。
13%を大きいとみるか小さいとみるかは見方にもよりますが、手数料は純利益への貢献度が高く、影響は小さくないとみます。
もちろん、全体でみれば、1.5÷126=1.1% になるのですが。

・PCゲームの市場規模

続いて、2つ目の疑問点になります。
まずは、国内のデータを見ました。こちらはモバイルが大きく伸びているのに対して、PCゲームは微減気味の傾向です。(「携帯・スマホ・PCゲームの市場規模」より)

ただ、世界の市場規模になると、2020年でPCゲームの市場規模は増えていることが分かりました。
コロナ禍で生活者がPCゲームに触れる機会が増えているんですね。

今回の手数料減はクリエイターのモチベーションを上げるものになり、加えて、4月20日に発表された「ID@Azure」はその開発欲求に拍車を賭けるのではないでしょうか。
クリエイターにとっては制作がしやすい環境=「ID@Azure」が用意され、市場も伸びてきているという良い面があるわけですから。

そうなれば、仮に手数料を下げてもMicrosoftにとっても売上増に繋がりそうです。

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