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仙崖作品の描かれた背景をもっと知りたい

どうも、ウクモリ ヒロオです。

不発に終わった皇居周辺での野鳥撮影ですが、成果を出せずに終わった理由があります。それはその後に予定が入っていたこと。実はお昼過ぎからは、出光美術館で開催されている「仙厓のすべて」という展覧会を鑑賞する予定になっていました。時間指定予約制なので、午前中を皇居周辺で・・・という行動パターンになったという訳です。

私はここ数年、出光美術館で仙厓の作品展が行なわれる際は、必ず鑑賞しに行っています。もともとは、ゆるキャラ的な絵画に親近感を持っての訪問でしたが、次第に作品に込められた仙厓の想いにも興味を持つようになりました。

仙崖作品のコレクターとして知られる出光興産の創設者・出光佐三さんは、青年の頃に仙厓に出会い、次第に仙厓の生き方に陶酔していったようです。百田尚樹が書いた「海賊と呼ばれた男」の主人公のモデルにもなった、どちらかといえば破天荒な生き方をした佐三さんが、最終的には仙厓の悠々自適な人生に共感していくようになる・・・とても興味深いサイドストーリーです。最終的には1,000以上の仙崖作品が佐三さんの元に辿り着き、大切に所蔵されているそうです。

先述の通り、以前は可愛らしさの側面ばかり見ていた私も、今回は作品の脇に掲示されていた案内文から、かなり描かれた背景のようなものを知ることが出来、とても興味が持てました。
(公式カタログでも案内文が記載されていたので、改めて読み返すことも可能なのがとてもありがたいです)

今回触れた作品の中では、後期に描いたとされる自身を中心に添えた涅槃像の作品に興味を持ちました。上段で寝そべる仙崖の周囲には、日々生活を共にしたご縁がある方々は集い、下の方には仙崖がこよなく愛した調度品までもが描かれていて、人生で大切にしていたものを、一枚の書に込められていることが分かります。

こういった作品に触れると、私が最近大切にしている「共存共栄の精神」を感じることが出来、他の作品から何が感じられるのか…そんな部分でも興味を倍増させることにつながっています。

今回の展覧会に行き、以前にも増して仙崖という江戸時代の禅僧がどのような生き方をし、後世に何を伝えようとしていたのか…とても気になるようになりました。出光佐三さんがどんな点に共鳴したのか…今までは考えてもみなかった領域まで、考えられるようになったのが、今回得られた最大の収穫だったかもしれません。

会場を後にしてからも、程よい余韻に浸ることが出来、今回も仙崖の優れた作品に触れられた喜びを噛み締めています。解釈が難解な作品である「○△□」に込められた意味も含め、これからも幾度となく作品に触れ、少しでも仙崖が考えていたことを想像出来るようになればなと思っています。

10月半ばまで開催しているので、このnoteをお読みいただいている方も、作品に触れていただければと思います。

こんなことを語りつつ、今日のnoteを終えたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。感謝!

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