ボルダリング3級を登るためのトレーニングについて
ボルダリングを趣味として楽しむ方で、最初につまづくグレードが、このあたりだと思います。(グレードはジムによって少しずつ違っているので、あくまで参考程度に受け止めてください)
ムーブなどを知識としては理解して、定期的に登りにきている。道具もレンタルから少しずつ自分で揃えているころ。楽しいですよね!
けれど、この頃から頭打ちになってしまう人も多いはず。僕自身3級を登れるかどうかくらいが最初の停滞期でした。
1.最初の停滞期はトレーニングがオススメ
登り続けても成長はすると思いますが、早く成長したい!今より強くなりたいと思うなら、家トレがオススメです。
強いクライマーさんの中には、家でのトレーニングを一切しない人もたくさんいます。プロのクライマーさんでも、「筋トレ」はしていません。て人はたくさんいます。筋肉があると、体重はむしろ増えますし、メリットばかりでもありません。
しかし、実体験として
社会人の方で、クライミングを早く成長したいなら、断然トレーニングしたほうがいいです。
結果として、同じグレードでセッションした仲間より成長した時は、僕の場合大体家でのトレーニングなどを変えた(増やした)ときです。
たくさん登りに行ける人なら分かりませんが、時間に限りがある社会人の方には、トレーニングはオススメです。
2.オススメは懸垂!
じゃあ具体的にどんなトレーニングがいいかと言われると、初心者に圧倒的にオススメしたいのは懸垂です。
メリット①初心者は保持力<筋力
クライマーの強さに一番直結するのは、おそらく保持力だと思います。保持力とは、「指先のいかに小さい接地面に対して、どれだけの体重を預けることができるか」という指標と思ってください。難しいグレードだと、指先のミリ単位の岩やホールドで体重を支える必要があり、課題全般に保持力が関わってきます。
ですが、3級くらいまでは、むしろ手にするホールドは比較的持ちやすいホールドが多く、登っているうちに鍛える程度で足りています。
むしろ傾斜がキツい所だと、他の壁面に比べてうまく登れない人が多いと思います。そういう方は、保持力よりも筋力が必要です。
メリット②出力が強ければ、ムーブに余裕が生まれる
筋力が備わると、あらゆるムーブを起こすときに余裕が生まれます。技術が向上すると、少ない筋力で登れるようになります。ですが、技術の向上には何度もトライする必要があり、多少強引にでもムーブが成立していることで、たくさんの課題が登れるため、結果的にたくさんの経験値を得られることができます。
筋力が不足しているためにムーブが起こせなければ、課題を登ることができないため、モチベーションも低下してしまいます。
クライミングの技術を知っていくと、「いかに省エネで登るか」ということを意識しがちですが、こういう強引さを身に着けることで、よりたくさんの経験を積むことになりますから、なるだけ筋力(出力)は高いほうがいいです。
メリット③引き上げるフォームが整う
最後に、一番重要なメリットが、「フォームの改善」です。
プロクライマーの楢崎智亜選手の懸垂を見たことはありますか?
無駄が一切感じられない、きれいな懸垂をしています。
懸垂では、クライミングで多様する「身体を引き上げる」動作の基本となります。筋力の上昇だけではなく、この引き上げという動作の技術が身につくため、懸垂をオススメします。
やっていくうちに、「肩甲骨を下げる」といった技術が身に付き、前腕だけの登りから、背中の筋肉を使った登りができるようになります。
3.具体的なトレーニング方法について
次に、具体的な懸垂トレーニングについて、説明します。
①懸垂棒(もしくはフィンガーボード)を買う
はい。いきなり最初にして最大のハードルです。
一般家庭に懸垂棒はなかなかありません、よね。
でも、クライミングを趣味にするなら、これはオススメです。
もしくは、この先のトレーニングでも役立つフィンガーボードを購入するという方法もありますが、用途が異なるため、できれば懸垂棒をオススメします。
懸垂棒は、かなりのスペースを占有しますし、金額もまあまあします。
勇気がいりますよね。。捨てることを考えても買うのに躊躇します。
ドアに突っ張るタイプや、ドアのヘリなどに引っ掛けて懸垂するアイテムまで様々です。最初はそれらで代用も可能なので、初期費用が気になる方は、これらを購入するのもありです。
ただ、トレーニングの幅が広く、強度なども安心できる懸垂器が一番です。
※画像にリンク貼ってます
②毎日最低1回を習慣とする
懸垂は何回できますか?
個人差はあるでしょう。プロクライマーだと、女性でも40回はできるそうですが、一般人であれば10回できる人すら、それほど多くないと思います。
ただ、3級の壁に当たっているクライマーの人であれば、少なくとも1回はできると思います。
大事なのは、少ない強度でもいいので、まずは懸垂をすることを習慣化することです。
習慣というのは、一度身に着ければ大きな動機(モチベーション)なく続けることができる強力なものですが、習慣化するまでが難しいものです。
習慣化に必要なのは、
1.ハードルを限りなく下げる
2.すでにある習慣
(ルーティーン)に組み込む
3.できなかった日を責めない。
できた日をほめる
(セルフイメージの向上)
この3つです。私の場合は、風呂に入る前に、必ず一回懸垂を行う
ということを実践しました。実際やってみると、1回といわず、10回を目標に行うのですが、クライミングした日や、翌日の筋肉痛にみまわれた日。会社の飲み会の後には、全然懸垂ができず、たくさん懸垂ができない日がたくさんあります。そういう時でも、せめて懸垂棒にぶら下がるだけで行い、自分をほめてください。できなかった面ではなく、できたことに注目して、セルフイメージを高めることが、習慣化の肝だと思います。
③強度(グレード更新の目安について)
私の場合、懸垂をはじめて3か月後くらいに経過すると、毎日10回、幅広で行えるようになっていました。これには開始時期や元々の筋力などが影響するかと思います。
ただ、3か月という数字は、習慣化するのに要する時間であり、また身体つきを変化させるのに必要な時間だと言われています。
懸垂習慣の成果は、3か月後にあると思ってください。
私は懸垂のフォームが下手くそで、背中もですが胸筋もついてしまい、スーツが合わなくなってしまいました。。
それでもムーブに余裕が生まれたり、強傾斜への苦手意識は軽減。背中を使えるようになってきて、前腕がパンプするまでの時間が伸びて、全力で登れる時間も増えました。効果は大きいはずです。是非お試しください。
私はこの頃3級でも落とせる課題が増え、成長を実感できました。
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