届かない声 Spring(小説)
バジルさんの小説 「Spring」の続き(?)を書いてみました。中学1年生の男女のお話です。 まずはバジルさんの小説からどうぞ!
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看護師さんの診察はすぐに終わり、僕はひとり病室へ戻った。
誰もいない病室。
いつもと少し違うのは、僕のベッドの脇に、斜めに寄り添うようにパイプ椅子が置いてあることだ。
僕は部屋に入ると、ベッドに横たわり、仰向けなって天井を見た。
エアコンの送風の音が聞こえた。
診察室に行ってきたせいで、シップの匂いが鼻につき、さっきまで部屋に漂っ