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貸借対照表が重要な理由とその要素とは?

企業経営において、財務状況を正確に把握することは非常に重要です。そのために用いられるのが、貸借対照表(バランスシート)です。この記事では、貸借対照表がなぜ重要なのか、そしてその主要な要素と、重要な財務指標について解説します。
 損益計算書は読めるが貸借対照表は読めない経営者は少なくありません(むしろ多くの方は見てもいません)。貸借対照表は会社の健康状態がわかる資料であり、一流の経営者を目指すためにはぜひとも読めるようになっておきたいものです。

貸借対照表とは?

貸借対照表は、ある時点での企業の財務状況を示す書類です。具体的には、企業が保有する資産、負債、および資本の状態を一目で確認できるようにまとめられています。貸借対照表は、企業の経済的な健康状態を評価するための基本的なツールとなります。

1.資産

資産は、企業が保有するすべての経済的価値を持つリソースを指します。資産は流動資産と固定資産に分けられます。
• 流動資産:現金や預金、売掛金、在庫など、1年以内に現金化または消費されることが見込まれる資産です。
• 固定資産:土地、建物、機械設備、長期保有の有価証券など、1年以上にわたって企業の事業活動に貢献する資産です。

2.負債

負債は、企業が他者に対して負っている義務や借入金を指します。負債も流動負債と固定負債に分けられます。
• 流動負債:買掛金、短期借入金、未払い費用など、1年以内に返済が必要な負債です。
• 固定負債:社債や長期借入金、退職給付引当金など、1年以上にわたって返済が予定されている負債です。

3.資本

資本は、株主が企業に投入した資金と、企業が蓄積した利益からなる部分です。資本の内訳には、株主資本、資本剰余金、利益剰余金などが含まれます。資本は、企業の純資産を表す指標であり、負債を差し引いた後に残る部分を示します。

重要な財務指標

①自己資本比率
自己資本比率は、企業の総資産に対する自己資本の割合を示す指標です。この比率が高いほど、企業は外部からの借入に依存せず、自力で資金を調達していることを示します。自己資本比率は、企業の財務健全性を評価するための重要な指標であり、一般的に高いほど経営リスクが低いとされています。
自己資本比率が40%以上あると、銀行から優良企業と評価されます。

計算式:自己資本比率 = (自己資本 / 総資産) × 100

②現預金比率
現預金比率は、企業の流動資産の中で現金や預金が占める割合を示します。これは、企業の短期的な支払い能力を評価するために使われます。現預金比率が高いほど、企業は短期的な資金需要に対して十分な準備があると考えられます。
現預金比率は30%を目標にしましょう。30%以上あると会社の急な支払いや不測の事態に対応でき、効率的な資金運用ができます。

計算式:現預金比率 = (現預金 / 流動資産) × 100

③債務償還年数
債務償還年数は、企業が現時点の収益力で負債を全て返済するのに何年かかるかを示す指標です。これにより、企業の返済能力を評価することができます。一般的に、短いほど企業は健全な財務状況にあるとされます。
債務償還年数の目標として、10年以内を目指しましょう。

計算式:債務償還年数 = 有利子負債 / 営業キャッシュフロー

貸借対照表が重要な理由

貸借対照表は、企業の経営状態を把握するための基本的なツールです。投資家や取引先、金融機関など、さまざまなステークホルダーが企業の信用力や財務の健全性を評価する際に利用します。また、経営者にとっては、資金繰りや長期的な事業戦略を立てる際の重要な判断材料となります。

終わりに

貸借対照表は、単なる会計書類にとどまらず、企業の財務的な体力やリスクを見極めるための重要な指標です。資産、負債、資本という3つの要素に加え、自己資本比率、現預金比率、債務償還年数などの財務指標を理解することで、企業の健全性をより深く評価することが可能です。これらの指標をしっかりと把握し、健全な経営を目指しましょう。

当社では会社の財務基盤の改善を図る財務コンサルティングサービスを行っています。財務コンサルティングにより、これまで多数の企業の経営改善を図ってきました。毎月財務を把握することで、次の一手を打つことができます。
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